さらに、ヘジャンクッといえば、韓国全土で食べられているソンジクッ(牛血の煮こごりスープ)も有名だ。牛血は鉄分やたんぱく質が豊富なので体力を回復させ、二日酔い症状を軽減すると言われているが、スープに唐辛子が効いていて辛いので疲れた胃腸によいはずがない。二日酔いには両刃の剣と言わねばならないだろう。

ヘジャンクッとはそもそも定義があいまいで、決まったスープ料理があるというよりも、二日酔いの当人が、「これがヘジャン(胃腸の癒し)になる」と思えば、なんでもヘジャンクッになる。
なかには辛ラミョンのような刺激的なラーメンが二日酔いに効くと言う人も珍しくない。汁気があって、発汗してスッキリするものなら何でもヘジャンクッになるという、一種の思い込みである。
ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』3話には、ソジュとビール計36本を飲み、重症の二日酔いになった弁護士(チョ・スンウ)と事務長(キム・ソンギュン)が翌朝、胃をおさえながらヘジャンクッを求めてソウルの瑞草洞を歩き、結局、主人が二代目(カン・マルグム)に変わった行きつけの店でラーメンを食べるシーンがあった。

●配信情報
Netflix『隣の国のグルメイト』独占配信中
[2025年] 出演:ソン・シギョン、松重豊