『ムービング』『7番房の奇跡』『エクストリーム・ジョブ』など、人間味あふれる演技力の高さに定評がある、実力派俳優リュ・スンリョン。彼の作り出す世界観は、いつも心に深く染みわたり、いつまでも記憶に残る。
そんなリュ・スンリョンが、勤続25年を迎える中間管理職を演じる最新作『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』が、Netflixで独占配信中だ。長いタイトルだが、原作は同名のウェブ小説である。(以下、一部ネタバレを含みます)
■リュ・スンリョン主演『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』見どころは?
大手通信会社で勤続25年を迎えるキム・ナクス(リュ・スンリョン/『パイン ならず者たち』『タッカンジョン』)。幼い頃は、優秀な兄に頭が上がらず、へこんでいたが、現在は大企業の部長の座に就き、妻と息子とのソウルでのマンション生活に誇りをもっている。
役員への昇進を夢見て一発当てることばかり考えているが、管理職としての仕事はおざなりだ。上司からは責任感のなさをなじられ、部下(シン・ドンウォン、チョン・スンウォン、ハ・ソユン)からは疎まれ、自分が思うほど周囲からの評価、評判がよろしくない。しかし、そんなことを気にもとめないナクスの楽天的な性格が、さらなる悲劇を生む。
ナクスがもとで発生した会社を揺るがすような大トラブルに対しても、部下のせいにしたり、火に油を注ぐように対応をとったりと、能天気すぎるナクスにはいいところがひとつもない。そんなナクスだが、唯一自分を可愛がってくれるペク常務(ユ・スンモク/『ジャガイモ研究所』)へのリスペクトだけは忘れない。
一方、プライベートでも、息子のスギョム(チャ・ガンユン/『いつかは賢いレジデント生活』)から「父親のようにだけはなりたくない」と思われるほど自己中心的で、他人への礼儀もわきまえない。
家計のやりくりに頭を悩ませる妻・ハジン(ミョン・セビン/『医師チャ・ジョンスク』)の苦労をよそに、高級なビジネスバッグに大枚をはたき、外車を買った部下を陰で羨ましがるナクス。ハジンが購入したロボット掃除機が、自宅内の段差で立ち往生する姿は、ハジンの息が詰まる生活を象徴している。
視聴者側をハラハラドキドキさせるナクスの一挙手一投足があまりに滑稽で、そんなナクスに嫌気がさしながらも注目してしまう。そして遂に、ナクスを奈落の底に突き落とすような出来事が……。
演出はチョ・ヒョンタク(『SKYキャッスル』『ヒーローではないけれど』)、脚本はキム・ホンギ(『こうなった以上、青瓦台に行く』)とユン・ヘソンの共作である。
●配信情報
Netflixシリーズ『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』独占配信中
[2025年/全12話]演出:チョ・ヒョンタク 脚本:キム・ホンギ、ユン・へソン
出演:リュ・スンリョン、ミョン・セビン、チャ・ガンユン、ユ・スンモク、イ・ソファン、イ・シンギ、イ・ジニ、チョン・スンウォン、ハ・ソユン、シン・ドンウォン