思わず9号線のホームを見てしまった。仁川国際空港から来た電車をおりると、ホームの反対側へ移動するだけでよかった。荷物が多いと、これは助かる。空港から江南方面への乗り継ぎを考えての構造だった。

「ほーッ」と声が出てしまったのには理由があった。僕はこれまで、ソウル駅や明洞、仁寺洞あたりに泊まることが多かったため、空港から直接、江南に向かうことはなかった。明洞に行く場合は、弘大入口で2号線に乗り換えるか、ソウル駅で4号線に乗り換えることが多かった。

 この乗り換えを経験した人は皆、知っていると思うが、そこそこ歩くことになる。弘大入口で2号線までは長い通路を歩かなくてはならない。空港鉄道のソウル駅は地下7階で。エスカレーターかエレベーターであがり、通路を進まなくてはならない。それに比べると、空港鉄道から9号線への乗り換えは実にスムーズだった。

 金浦国際空港から新論峴駅へは急行に乗るのもコツだった。9号線は各駅と急行があり、停車駅はずいぶん違う。金浦国際空港のホームで待ちながら、時刻表を見てみた。急行はかなりの頻度で走っていた。

 仁川国際空港から江南まではバスという方法もあるが、時間の正確さでいったらやはり電車。電車の欠点は荷物を預けられないことだが、こういう乗り換え構造になっていたらかなり楽である。

 新しい人気エリアとはこういうことなのか。とすると、江南の中心は新論峴駅あたり? そんな気にもなってくる。 (つづく)

金浦国際空港駅。右側が空港鉄道、左側が9号線