■カルグクスの店は駆け込み寺
筆者は25年くらい前から、日本からソウルに取材に来るチーム(5~6名)の世話係を数多く経験してきたが、困るのは人数が多ければ多いほど韓国料理に対する耐性に差が出てくることだ。
いちばん多いのは、辛い物がいっさい食べられない人、次いでニンニクがきついものが食べられない人だ。主菜はともかくとして、副菜(パンチャン)の代表であるキムチに唐辛子は不可欠だし、他のナムル類にもたいていニンニクが使われている。
そんなとき重宝するのがカルグクスの店だ。カルグクスは基本的に唐辛子を使っていなし、スープにニンニクが使われていたとしてもごく少量。サイドメニューのマンドゥ(餃子)やスジェビ(すいとん)も同様である。
唐辛子やニンニクの好き嫌いはともかく、辛い物が続いた人や酒宴を楽しみ過ぎた人の舌と胃をホッとさせるのがカルグクスだ。ぜひ一度体験してもらいたい。

