本作が描き出すのは、民主主義の象徴であるはずの選挙が、実のところ「高度に演出された残酷なショー」であるという真実だ。候補者の人格や政策そのものよりも、大衆が何を望んでどのような虚像に熱狂するかという「イメージ戦略」が勝敗を決定づける。
いかにして自陣の候補者を神格化し、同時に対立候補の弱みを徹底的に暴いて社会的な死へと追い込むか。その醜悪なまでの泥仕合において、舞台裏で糸を引く「選挙参謀」が重要な役割を果たしていた。
『クイーンメーカー』が強調しているのは、選挙とは必ずしも「最も優れた指導者」を選ぶ場ではないということだ。まさに痛烈な皮肉。有権者の深層心理を掌握し、事実を歪めて候補者を実物以上に巨大に見せていく……。その魔術に長けた者が勝利を手にするという構図は、現代社会における政治の空虚さを象徴している。
このドラマは、単なる復讐劇の枠を超え、虚飾に彩られた現代の権力闘争のメカニズムを、ファン・ドヒという1人の女性の変節を通して赤裸々に物語っている。
●配信情報
Netflixシリーズ『クイーンメーカー』独占配信中
[2023年/全11話]演出:オ・ジンソク 脚本:ムン・ジヨン
出演:キム・ヒエ、ムン・ソリ、リュ・スヨン、ソ・イスク、オク・ジャヨン、ユン・ジヘ、キム・セビョク、イ・ギョンヨン、チン・ギョン、キム・テフン