Netflix配信『Missホンは潜入調査中』は、パク・シネ扮する証券監督官ホン・グムボが、相場操作疑惑がある巨大証券会社ハンミンに二十歳の新入社員に偽装して入社し、潜入捜査を行う話だ。

 職場で正体がバレそうになるスリリングな展開や証券監督院の上司であるユン局長(キム・ウォネ)のコミカルな諜報活動、1990年代の風物も見ものだが、グムボとチョ・ハンギョル扮する男性社員アルバートとのほのかなラブロマンスも見どころのひとつだ。

■『Missホンは潜入調査中』でデートで観ようとした映画『接続 ザ・コンタクト』主演は1990年代のスーパースター、ハン・ソッキュ

 6話では、同僚のアルバートがグムボに対する恋心を抑えきれなくなる。

「『接続 ザ・コンタクト』というハン・ソッキュとチョン・ドヨンラブストーリー映画がヒットしているんですが、観ましたか? 一緒に観ませんか?」

 アルバートが勇気を振り絞ってデートに誘い、グムボと一緒に観たがった『接続 ザ・コンタクト』は、1997年に公開され、この年第2位の観客動員を記録した映画だ。

 主演は『根の深い木 -世宗大王の誓い-』『シン社長プロジェクト』のハン・ソッキュ。日本の韓流ファンにもっとも知られているのは『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズの外科医役だろうか。

 ハン・ソッキュは今で言えば、ファン・ジョンミンソン・ガンホ級かそれ以上のトップスターだった。

 それは、同じ1997年に、『ナンバー・スリー』(助演チェ・ミンシク、観客動員7位)とイ・チャンドン監督のデビュー作『グリーンフィッシュ』(助演ソン・ガンホ、観客動員8位)で主役を務めていることからも明らかだ。そして、この翌年、日本にもファンの多い映画『八月のクリスマス』が公開される。

■20代前半だったチョン・ドヨンが観られる作品

『接続 ザ・コンタクト』はドラマ女優だったチョン・ドヨンの映画デビュー作でもある。当時はアイドル的な存在で、今のような大女優になるとは思えなかった。

 その後、『わが心のオルガン』(イ・ビョンホン共演)、『私にも妻がいたらいいのに』(ソル・ギョング共演)、『スキャンダル』(ペ・ヨンジュン共演)、『ユア・マイ・サンシャイン』(ファン・ジョンミン共演)など、そうそうたる男優たちの相手役を経て、2007年の『シークレット・サンシャイン』(ソン・ガンホ共演)ではカンヌ国際映画祭・主演女優賞獲得という快挙を成し遂げている。

『接続 ザ・コンタクト』は軍事独裁時代の陰を引きずった暗い映画や悲恋ものが多かった1990年においては、極めて異色な都会的でスタイリッシュなラブストーリーだった。今でもソウル鐘路3街(チョンノサムガ)の映画館「CGVピカデリー1958」の前を通ると、ハン・ソッキュとチョン・ドヨンが初めて互いを認識する場面を思い出す韓国人は多いはずだ。

現在の「CGVピカデリー1958」(ソウル鐘路3街)
「CGVピカデリー1958」に掲示されている「HALL OF FAME」。『接続 ザ・コンタクト』で共演したハン・ソッキュとチョン・ドヨンの顔も