Netflix配信中の新作映画『パヴァーヌ』は、ムン・サンミン(『シュルプ』『ウエディング・インポッシブル』『愛する盗賊様よ』)扮するギョンロク、コ・アソン(『ケナは韓国が嫌いで』『サムジンカンパニー1995』)扮するミジョン、ピョン・ヨハン(『サムシクおじさん』『茲山魚譜-チャサンオボ-』)扮するヨハンの三人の役柄のバランスがとても心地よい作品だ。

 なかでも、静謐だが緩急のある演技で映画らしい余韻を感じさせたムン・サンミンの魅力と、彼が本作のギョンロクを演じるにあたって参考にしたというユ・ジテ主演映画『春の日は過ぎゆく』を振り返ってみよう。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix映画『パヴァーヌ』の繊細な演技が光るムン・サンミン、時代劇『シュルプ』で百想芸術大賞最優秀新人賞を受賞

 ムン・サンミンは2000年4月14日生まれで、現在25歳。『シュルプ』の王妃(キム・ヘス)の次男役で、2023年の「百想芸術大賞」最優秀新人俳優賞を受賞した新進俳優だ。

 その後の『ウエディング・インポッシブル』では、チョン・ジョンソ扮するヒロインにアプローチする財閥三世役を好演。『深夜2時のシンデレラ』では愛を信じる年下御曹司役。新作時代劇『愛する盗賊様よ』では王家の快活な親族と義賊の一人二役を演じるなど、躍進を続けている。

 ムン・サンミンにとっては、初めての映画作品となる『パヴァーヌ』。彼は本作に出演する際、ギョンロクのイメージをつかむため、イ・ジョンピル監督のアドバイスで、映画『春の日は過ぎゆく』の主人公ユ・ジテの演技を見たという。

Netflix映画『パヴァーヌ』独占配信中
Netflix映画『パヴァーヌ』独占配信中

『春の日は過ぎゆく』は往年の名作『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督が2001年に撮った作品だ。

 ユ・ジテ扮する主人公はわけありのヒロイン(イ・ヨンエ)と付き合うが、やがて距離を置かれ、悲しみに暮れる。静かに耐えるユ・ジテの演技は見る者の胸を打ち、やがて怒りを爆発させる演技では見る者の胸を焦がした。

『春の日は過ぎゆく』に貫かれている “切なさ” は、繊細な表現が好きな日本の視聴者のハートをわしづかみにした。筆者の日本の友人知人には、男女問わずこの映画を韓国ラブストーリーのベストと言う人は多い。

 日本のシンガーソングライターの松任谷由実が作曲し、韓国のロックバンド紫雨林のキム・ユナが唄ったエンディングテーマも、映画の余韻を心地よいものにしていた。

映画『パヴァーヌ』でギョンロクが職場の同僚セラ(イ・イダム)とレコード店に行く場面は、ソウル鐘路3街ホテル街で撮影された