ドラマ『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』(テレビ東京系で放送、Netflix独占配信中)は、日本人と韓国人のメンタリティの違いや日韓の食べ物の描き方がおもしろい。
赤楚衛二扮する日本人の大河(小料理屋でバイト中)と元IZ*ONEのカン・ヘウォン扮する韓国人リン(日本に留学中)のラブストーリーの序盤をクローズアップしてみよう。(以下、一部ネタバレを含みます)
■『キンパとおにぎり』でわかる日韓のメンタリティーの違い、日本人の連絡下手vs韓国人の家族主義
リンと大河の最初の食い違いのシーンは、多くの日韓カップルの「あるある」だろう。
リンの不満は大河が用事のあるときにしか連絡をくれないことだった。韓国人はいったん付き合いはじめると、呼吸するように常時連絡ができる関係を望みがち。電話はもちろん、通話がはばかれるときはSNSをフル活用する。これが日本人にはきゅうくつに感じられることが少なくないようだ。束縛とも言う。
一方、大河が戸惑ったのは、リンが自分を家族に紹介してくれなかったことだ。韓国人は日本人と比べると恋愛、結婚には保守的で、とくに娘をもつ親は敏感になりがちである。そうした空気は日本で公開中のホン・サンス監督の映画『自然は君に何を語るのか』(娘の父役はクォン・ヘヒョ)によく描かれている。娘が彼氏を親に引き合わせることは、日本以上にハードルが高いと言っていいだろう。相手が外国人ならなおさらだ。
チョン・ユミとコン・ユが夫婦を演じた映画『82年生まれ、キム・ジヨン』を見ればわかるように、個人意識より家族意識が強い韓国では、結婚は個人と個人の結びつきだけでなく、家族同士が姻戚関係を結ぶという意味合いが強い。
リンの母親が外国暮らしの娘のためにわかめスープを煮たり、「はい、リンが好きなもの」などと言いながら、常備菜(ミッパンチャン)のウズラの玉子を取り分けたりしていたように、韓国の親は娘や息子が未婚ならいつまでも赤ちゃんのように扱うところがある。日本人はそこに違和感を覚えるだろう。