そして、『赤い袖先』の前半における最大のヤマ場は、サンの代理聴政(摂政)をめぐる激しい権力闘争である。1775年、81歳と高齢になった英祖は、老いによる体力と気力の限界を理由に、国政を孫のサンへ委ねようと決断した。

 猛烈に反発したのが老論派の重鎮たちである。中でも、劇中でホン・ジョンヨ(チョ・ヒボン)という名前で登場する洪麟漢(ホン・イナン)は、サンの母方の大叔父という近い血縁でありながら、次期国王の即位を露骨に妨害した。サンが即位すれば自分たち老論派が排除されると危惧したためだ。

 しかし、英祖は強い意志で反対派をねじ伏せ、サンの権力基盤を盤石なものにしてこの世を去ったのである。

 こうしてサンは22代王・正祖(チョンジョ)として即位することになったが、不気味だったのが王妃キム氏(チャン・ヒジン)だった。英祖の二番目の正室であり、年齢は和緩翁主より下なのだが、祖母として正祖の政治に影響力を行使しようとする。そうした権力闘争も『赤い袖先』の大きな見どころとなっている。

●作品情報

『赤い袖先』

[2021年/全17話]演出:チョン・ジイン、ソン・ヨナ 脚本:チョン・ヘリ

出演:ジュノ(2PM)、イ・セヨン、カン・フン、イ・ドクファ、チャン・ヘジン

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