聖水(ソンス)とソウルの森(ソウルスプ)は、いまのソウルの人気エリアだ。漢江(ハンガン)と、そこに流れ込む中浪川(チュンナンチョン)に囲まれた一帯で、ソウルの森は1908年につくられたソウルの水源地だという。

 東京の人気エリアはすでにできあがった街にエッジの効いた店が集まったり、海に沿ったエリアが開発されたところが多い。しかしソウルは森。公園の周辺などにカフェなどが集まり、若者が集まってくる。

■人気エリア、聖水・ソウルの森を散策してみる

 聖水やソウルの森は、韓国ドラマロケ地になることが多い。『ソンジェ背負って走れ』『ユミの細胞たち』『フォレスト』などだ。『ソンジェ背負って走れ』は、トップスターの突然の死を前に、かつて熱狂的なファンだったヒロインが過去に遡って奮闘するファンタジックなラブロマンスで、ピョン・ウソクキム・ヘユンらが出演している。

 そのロケ地のひとつが聖水の文化芸術空間だ。この建物がロケ地になった。しかし聖水、ソウルの森と耳にして、韓国ドラマのロケ地と発想する人は多くない。人気はやはりカフェやベーカリーだろうか。ガイドブックにも何軒もの店が紹介されている。カフェよりもベーカリーの方が多い感がある。このエリアはベーカリー激戦区なのかもしれない。

 4月末のソウル。寒さも遠のき、空はのびをしたくなるほど晴れあがっていた。

「ソウルの森近くのベーカリーで人気のパンやパイを買い、ソウルの森のベンチで昼食……」

 思い立って地下鉄に乗った。ソウルの森はアクセスがいい。水仁・盆唐線に乗って「ソウルの森」駅でおりた。ソウルの森の入口はそこから歩いてすぐのところにある。

 地下鉄のホームから地上に出、案内板に沿ってソウルの森に向かう。道沿いにはベンチがいくつもあり、もうソウルの森に入ったような気分になった。

 ソウルの森は広い。いろいろまわるには自転車を借りたほうがいいようだ。ベンチに座り、ソウルの森のどこをまわろうかと検索してみた。時刻は11時。1時間ぐらいソウルの森を歩き、北側に出れば、そこがベーカリーやカフェが並ぶエリアだ。

 ネットでいろいろ見ていると、「BTSベンチ」が出てきた。なんでもソウルの森のなかに、BTSメンバーの名前やメッセージが書かれたベンチやテーブルが20個以上も点在しているという。そこを巡礼ツアーのようにまわる人もいるらしい。

 しかし、そのベンチに書かれたファンからのメッセージプレートが3月13日まで撤去されたという情報もあった。今日は4月21日だった。メッセージプレートは戻されたのだろうか。それも気になり、BTSベンチを訪ねてみることにした。

 ソウルの森の入口からなかに入ろうとすると、布製のフェンスに囲まれた通路を進むようにという案内板が出ていた。やってきた人々も皆、その通路を進んでいく。入口付近を整備しているのだろうか……と通路を進むと、さらに案内が貼りだされていた。

 韓国語だったが、スマホをあてて翻訳してみると、4月30日まで、ソウルの森の中心エリアが博覧会準備のために閉鎖という内容だった。いろいろ検索してみると、BTSベンチはそのなかのようだった。

博覧会準備のため、4月30日までソウルの森の中心部が閉鎖……という案内。運が悪かった