ディズニープラス配信の話題作『伝説のキッチン・ソルジャー』は、軍部隊の給食作りを担当する新兵ソンジェの成長物語だ。ソンジェ役にWanna One出身で、大ヒット映画『王と生きる男』で若き王を演じた注目俳優パク・ジフン。上官役に『ブラッドハウンド』シリーズのイ・サンイや『京城クリーチャー2』のハン・ドンヒ、『トラウマコード』『梨泰院クラス』のユン・ギョンホ、『エマ』のイ・ホンネなど。加えて日本でも認知度のある俳優たちが特別出演する。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『伝説のキッチン・ソルジャー』視察議員役は『パラサイト』の豪邸地下で暮らしていたあの俳優!

「国防の基本である軍部隊の給食が粗末であるなどあってはならないこと。国会議員である私がこの目で確かめに来ました!」

『伝説のキッチン・ソルジャー』第3話、ソンジェが炊事兵の任務に就く軍部隊は、国会議員が視察に来るため大騒ぎになる。

 どんな威圧的な人物がやってくるのかと思ったら、演者は目が大きく、どこかチャーミングなおじさん、パク・ミョンフン(1975年生まれ)だった。

 名前を聞いてピンと来なくても、2020年の米国アカデミー賞を独占した映画『パラサイト 半地下の家族』の終盤、凶行に及んだ黒の上下の男と言えば思い浮かぶだろう。ソン・ガンホ扮する主人公一家が寄生した豪邸の前家政婦(イ・ジョンウン)の夫で、地下に潜んでいたあの男である。すべてを崩壊させたホームパーティー場面での怪演は忘れたくても忘れられない。彼はこの演技で同年の百想芸術大賞で新人演技賞も受賞している。

 その後は、『愛の不時着』でヒョンビン扮するリ大尉のフィアンセ(ソ・ジヘ)の母(チャン・ヘジン)の弟に扮したので、覚えている人もいるだろう。また、キム・ユンジンユ・ジテ主演『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』では、ベルリン(パク・ヘス)、トーキョー(チョン・ジョンソ)らで編成された犯罪集団に狙われる造幣局の局長を演じていた。

■パク・ミョンフン扮する議員はなぜ「泥棒だ~!」と叫んだのか?

『伝説のキッチン・ソルジャー』は、ソンジェが作った料理を食べた者たちのオーバーリアクション場面も見ものだ。美味しかったときの誇張映像表現も手が込み過ぎていて笑ってしまう。荒唐無稽な演出もこれだけ真剣にやれば視る者を感動させるのだ。

 第4話ではパク・ミョンフン扮する国会議員がその役目を担っていた。視察当日、骨を抜いた鱈の辛煮(明太スンサルチョリム)をひと口食べた議員は、ただでさえ大きな目をさらに見開き、息を荒らげながら、「トトギヤ~!(泥棒だ~!)」と絶叫する。

 誇張映像はパク・ミョンフン率いる特攻隊が覆面をかぶった盗賊を追うシーン。それは前述の『ペーパー・ハウス・コリア 統一通貨を奪え』を思い出させるものだった。

鱈はありふれた食材だが、朝鮮半島の東海岸地域で特によく食べられている。写真は中朝国境線北側の延辺朝鮮族自治州・延吉で食べた鱈と大根の辛煮