Netflix『素晴らしき新世界』でホ・ナムジュンは、チャイル財閥の後継者一番手のBOJEI(ビーオージェイ)代表チャ・セゲに扮している。彼は、朝鮮王朝時代からタイムスリップしてきて女優シン・ソリ(イム・ジヨン)に成り代わった女性を愛している。その愛の形がスリリングでとても見応えがある。(以下、一部ネタバレを含みます)
■甘いロマンスと激しい怒り……ホ・ナムジュンは『素晴らしき新世界』で両極端の感情を的確に表現している
ホ・ナムジュンは1993年6月9日生まれの33歳で、名門の成均館大学・演技芸術学科出身。彼の演技は、従来の「ツンデレ」とは異質である。もともと硬派なイメージが強い俳優なので、ドラマの序盤でも、冷徹でシビアな性格の経営者という役がピッタリだった。
しかし、セゲがソリを愛するようになってから、一気に雰囲気が変わった。「硬派」から典型的な「甘えたいタイプ」に変貌したのだ。その変わり身が極端なところが斬新だった。
とはいえ、BOJEIのイメージキャラクターとなったソリに付き添って、済州島(チェジュド)での広告写真撮影まで同行したのは、冷徹な経営者としてやりすぎだったかも。「本来の仕事に没頭できるのか」と心配になるほどだった。
しかし、済州島のシーンは、ドラマとしても有意義だった。おかげで、セゲはソリの愛を十二分に受け取ることができたのだ。このあたりから、セゲの「ツンデレ」ぶりが強くなっていき、キャラクターの愛嬌が増していった。それにつれて、ホ・ナムジュンの好感度も一気に高まった。
ただし、セゲには最大の敵が控えている。チャイル建設社長のチェ・ムンド(チャン・スンジョ)は、チャイル財閥の後継者の座を狙ってセゲをどんどん追い詰めていく。こうした大ピンチになると、硬派なイメージが復活して、セゲは拳を握りながら狡猾なムンドと激しく対峙していく。
ソリとの甘いロマンスとムンドへの激しい怒り。この両極端の感情を的確に表現するために、ホ・ナムジュンは自身が持っている演技力をいかんなく発揮している。そういう引き出しを使い分けられるのがホ・ナムジュンの持つ多様性なのである。