テコンドーはパンチよりもキックのほうが得点につながるので、見栄えのする格闘技だ。キックのなかでももっとも華麗とされる後ろ回し蹴りはテコンドーらしい技だ。第8話でハンスの息子が真似していた香港のアクション俳優ブルース・リーも、派手な後ろ回し蹴りで観客をわかせていた。
しかし、ハンスのようなテコンドーの覇者が『エージェント・キム』で描かれているような実戦の場で無敵かと言うとかなり疑問だ。相手の頭部を狙う派手なキックは、軸足にタックルされやすい。レスリングや柔術などの組技系の選手から見たら隙だらけなのだ。
第9話でハンスが対峙した北朝鮮のアマレス五輪王者から、「足技を使うにはここは狭いだろう」と挑発されていたように、テコンドーは闘う場所によって優劣が出やすい競技なのだ。ハンスが、「じつはオレは柔道も教えている」と返したのは、米国のUFCや日本のRIZINなど総合格闘技を見慣れた韓国や日本の視聴者に対するエクスキューズなのだ。
●配信情報
Netflix『エージェント・キム: リアクティべーティッド』独占配信中
[2026年/全10話]演出:イ・スンヨン、イ・ソウン 脚本:ナム・デジュン
出演:ソ・ジソブ、チェ・デフン、ユン・ギョンホ、チュ・サンウク、ソン・ナウン、キム・ソンギュ、イ・ジェヨン、ウォン・ヒョンジュン、パク・チヌ、チョ・ボクレ