韓国時代劇『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』は、主演を務めた演技派ナムグン・ミンとアン・ウンジンが、画面から溢れ出るほどのインパクトを見せていた。2人の魂が共鳴した競演は物語をどこまでも熱く盛り上げており、「まれにみる名作」という高い評価を確固たるものにしていた。(以下、一部ネタバレを含みます)
■名作『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』ナムグン・ミンの表現力が深く沈んだ孤独や情愛を繊細に表わしていた
『恋人』でメインで描かれたのは、身分や価値観という高い壁を越えて深く惹かれ合う男女の哀切な愛の軌跡だ。
ナムグン・ミンが扮したのは、どこか影を帯びた謎めいた男イ・ジャンヒョン。対するアン・ウンジンが演じたのは、両班の誇りを胸に抱く令嬢ユ・ギルチェである。この2人が織りなす数奇で情熱的なドラマが、見る人の心を激しく揺さぶっていた。
物語の始まりは1636年。朝鮮半島は未曾有の暗雲に覆われた。圧倒的な武力を誇る清国の軍勢が、国境を越えて怒涛のごとく押し寄せてきた。平和だった王朝は人々の悲鳴に満ちてしまった。
その中で、ヒロインであるギルチェが劇的で力強く変貌していく。無情な戦争は穏やかな日常を無残にも奪い去ったが、それでも彼女は決して希望を捨てなかった。悲しみの涙で頬を濡らしながらも、次第に大地にしっかりと根を張って生き抜いた。
そんなギルチェを包み込むジャンヒョンの深い愛情がたまらなく心強い。彼は愛する人を守るためなら、どんな暗闇にも果敢に身を投じていった。最後まで彼女を支えようとする男の揺るぎない信念が感動的だった。
さらに、壮大なドラマをいっそう奥深くしていたのがサイドストーリーだ。ギルチェがかつて密かに想いを寄せていた誠実な青年ナム・ヨンジュン(イ・ハクジュ)と、彼の婚約者である優しき女性キョン・ウネ(イ・ダイン)。この2人がひたむきに紡ぐ静かな愛情物語が、ドラマの随所に安らぎと深い余韻を与えていた。