■冬ソナ以前、韓流の胎動
2001年の日本には韓流という言葉すらなかった。元祖韓流ドラマ『冬のソナタ』の日本放送がNHK-BSで始まったのはその2年後である。
しかし、1980年代、1990年代から韓国に興味をもっていた日本人は、すでに韓流の胎動を感じていたはずだ。
トライアングルの衣装のモチーフにもなっている1990年代の人気アイドルグループ、ソテジワアイドゥル(メンバーの一人はのちにYG ENTERTAINMENTを立ち上げるヤン・ヒョンソク)の活躍に、のちのK-POPの世界的隆盛を予感した人もいただろう。
日本の映画ファンにも感動を与えた淡い恋物語『八月のクリスマス』は1998年の作品。日本で初めて興行的に成功した韓国映画『シュリ』は1999年の作品だ。2001年には、のちに多くの映画やドラマに影響を与えたラブストーリー『春の日は過ぎゆく』(ユ・ジテ&イ・ヨンエ主演)が公開されている。
筆者が忘れられないのは2002年、地元の商業施設マルイの外壁にスーツ姿のウォンビンの巨大広告を見たことだ。冬ソナ以前に、「韓国(ブーム)が来る!」と感じた瞬間だった。彼はマルイのメンズファッションブランド「VISARUNO」のイメージキャラクターだったのだ。
『ワイルド・シング』は、トライアングルが歌い踊る「Love is」のどこか懐かしいメロディとともに、そんなわくわくするような韓流胎動期を思い出させてくれる作品である。
●配信情報
Netflix『ワイルド・シング』独占配信中
[2026年/107分]監督:ソン・ジェゴン 脚本:キム・チェウ