韓国で1150万人以上を動員した大ヒット映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)が4Kリマスターされ、8月21日(金)から1週間限定で全国60の劇場にて順次公開される。

 本作の原題は『釜山行き』。早朝、ソウル駅を発ち釜山に向かうKTXの車内がゾンビ禍に見舞われ、乗客たちが危機に瀕するストーリー。監督は、映画『顔 -かお-』(8月28日公開)や『群体(原題)』、Netflix『ガス人間』(共同脚本、エグゼクティブ・プロデューサー)で話題のヨン・サンホだ。(以下、一部ネタバレを含みます)

■ハラハラドキドキ、ラストは感涙!『新感染 ファイナル・エクスプレス』危機的状況で乗客個々の生き方が問われる傑作

 Kゾンビ映画の金字塔といわれる本作は、ゾンビの表情こそ刺激的だが、カンニバル描写は控えめなので、人間ドラマとしても高く評価されている。

 とくにコン・ユ扮するファンドマネージャーとその娘(キム・スアン)の残酷かつ美しいクライマックスは韓国映画史に残る父娘愛の名場面だ。

エージェント・キム』(父ソ・ジソブ、娘ソ・スミン)、『おつかれさま』(父パク・ヘジュン、娘IU)、『エクストリーム・ジョブ』(父リュ・スンリョン、娘チェ・ジョンウン)、『7番房の奇跡』(父リュ・スンリョン、娘パク・シネ)、『タッカンジョン』(父リュ・スンリョン、娘キム・ユジョン)のような、娘に弱い父親が主人公のタルパボ(娘を溺愛すること、親ばか)ものが好きな人は必見だろう。

 筆者がソウルの先行上映で鑑賞したときは、ラストシーンで周囲の席から落涙を通り越して嗚咽が聞こえてきた。単なる恐怖映画ではなく、大きなカタルシスを得ることができる名作である。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』で描かれるゾンビ禍は、ソウル駅ホームでシム・ウンギョン扮する感染者が発車直前のKTXに乗り込んだことから始まる
『新感染 ファイナル・エクスプレス』劇中で惨劇が繰り広げられたKTX車内
『新感染 ファイナル・エクスプレス』の終盤には旧型の高速鉄道も登場する

■『新感染 ファイナル・エクスプレス』列車の主な乗客たち

 高速移動する列車の中で惨劇に見舞われる、主な乗客とキャストを紹介しよう。

■ソグ(コン・ユ)

 ワイシャツ姿の大きな背中は頼もしい父親そのものだが、実際は目先の利益しか考えないファンドマネージャー。それゆえ妻に去られ、娘からも敬遠されている。そんな彼がゾンビ禍で父性を取り戻してゆくところが本作最大の見どころだ。

■スアン(キム・スアン)

 ソグの娘。両親の離婚で心に傷を負い、一生懸命練習した歌を発表会で歌い切るきることができなかった繊細な小学生。

■サンファ(マ・ドンソク

 まだ父親になっていないが、身重の妻(チョン・ユミ)や縁のあった者たちを守るため、全力で戦う姿は感動もの。のちの『犯罪都市』シリーズなどでのマ・ドンソクの怪力無双キャラは、本作で確立された。

『新感染 ファイナル・エクスプレス 4K』(C)2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

■ソンギョン(チョン・ユミ)

 マ・ドンソク扮するサンファの気丈な妻。お腹の子は本作最後の希望。

 チョン・ユミは、主演映画『82年生まれ、キム・ジヨン』でコン・ユと夫婦役で共演。また、次に紹介するチェ・ウシクとは、本作のあと、人気バラエティソジンの家』や『ホームバカンス』『花より青春:Limited Edition』、Netflix映画『ワンダーランド: あなたに逢いたくて』ほか、様々な作品で共演していて親交が深い。