■『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』(2024年)

 チョン・ヘイン扮する新人刑事は、主人公の刑事(ファン・ジョンミン)の年の離れた弟分という設定。だが、終盤にどんでん返しを見せる。『恋は飴模様』で開花したミステリアスな雰囲気は、本作ですでにその萌芽があった。

 静ひつな佇まいのなかに垣間見られるただならぬ気配は、当時20代半ばだったパク・ヘイルソン・ガンホ主演の名作『殺人の追憶』で扮した容疑者と通じるものがある。

■『D.P. -脱走兵追跡官-』(2021年、2023年)

『D.P. -脱走兵追跡官-』は韓国の「兵役」をテーマとした重いドラマだが、チョン・ヘインとク・ギョファンが演じた後輩と先輩の人間味あふれるバディものでもある。バディものとは、上司と部下、先輩と後輩、友人どうしなど、2人組が主人公の物語のことだ。

 チョン・ヘインが演じる兵士ジュノは、不器用そうで口数が少ないところと、イザというときの大胆な行動力のギャップが魅力。演技派ク・ギョファン扮する、おしゃべりでやや軽率な先輩兵士との対比で、より輝いている。

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■『ユ・ヨルの音楽アルバム』(2019年)

 心を通わせ合った女性(キム・ゴウン)の前から突然姿を消したり、過去の心の傷に苦しんだりする青年の演技はこれぞチョン・ヘインという役どころ。

 前年のソン・イェジン主演『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』で確立されたチョン・ヘインの“国民的年下彼氏”のイメージから、大きく前進した作品である。

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『ユ・ヨルの音楽アルバム』に登場したソウル鐘路3街、楽園商街ビルの地下市場。今でもチョン・ヘインのファンが訪れる
『ユ・ヨルの音楽アルバム』に登場した楽園商街ビル地下市場の入口。劇中、キム・ゴウンがこの階段の上に立つシーンがあった