バラード歌手ソン・シギョンの韓日食べ歩きのパートナーが『孤独のグルメ』の松重豊から女優の三吉彩花にバトンタッチして半年。Netflixのグルメバラエティ『孤独の国のグルメイト』はシーズン7に突入している。その第1話では北海道札幌の綜合食品卸売市場にある「蟹ゆで名人」で、蒸し煮した毛ガニと日本酒を堪能した。

韓国人の熱い北海道愛、最初のきっかけは1990年代のミュージックビデオ

 韓国や日本の各地で食べ歩きを経験したソン・シギョンが『孤独の国のグルメイト』シーズン7第1話でいつもにも増して料理と酒に耽溺しているように見えたのは、舞台が北海道だったことと無縁ではないだろう。

 韓国人が北海道に対して強い憧憬を抱き始めたのは、1990年代後半にさかのぼる。

 最初のきっかけは、ソン・シギョンの先輩に当たるバラード歌手ョ・ソンモ(1977年生まれ)が、1998年から1999年にかけて大ヒットさせた「不滅の愛」だ。この歌のミュージックビデオは小樽など北海道の雪景色を背景に撮影された。映像は当時28歳のイ・ビョンホンキム・スンウら豪華キャストによるラブストーリー仕立てで、韓国歌謡のミュジックビデオブームの火付け役といわれている。

 中山美穂扮する主人公のセリフ「お元気ですか~」が流行語にもなった日本映画『Love Letter』(岩井俊二監督)も同じ時期に韓国で公開され、北海道の荘厳な雪景色が韓国人のハートをわしづかみにした。

 そうしたロマンティックな映像を観て、いつか札幌や小樽の夜のイルミネーションの中を歩いてみたい。雪積もる街をゆっくり進む路面電車に乗ってみたい。雄大な雪原をこの目で見たい。そう思った韓国人は少なくなかった。当時、日本旅行はまだ高嶺の花だったが、あれから20余年、多くの韓国人が夢を現実のものとしている。

活きたカニがびっしり入った水槽がカニの店の目印(韓国・機張市場)