世界を代表する映画祭となった「釜山国際映画祭」で、近年、名物企画としてすっかり定着したアクターズ・ハウス。人気俳優たちが登壇し、観客の前で自身の歩みをじっくりと語る貴重な機会となっている。今年2026年もキム・ゴウン、キム・ミナ、リュ・スンリョン、チュ・ジフン、シン・ミナといった人気俳優が連日参加した。

 今回は、ジュノ(2PM)と共演する新作ドラマ『バイキング(原題)』とNetflix大ヒット作『トラウマコード』新シーズンの撮影の合間に駆けつけたというチュ・ジフンの言葉を紹介。俳優の立場から見た韓国映像業界の変化を振り返ってみたい。

■「釜山国際映画祭2026」アクターズ・ハウスにチュ・ジフン登場!俳優の立場から見た韓国映像業界の変化とは?

 18歳からモデルとして活動を始め、俳優となって以降も、ドラマ、映画、そして配信と、様々な撮影現場を経験してきたチュ・ジフン。もともと「クエスチョンマークを常に抱えている性格」ということで、上下関係が厳しかったり、スケジュールの関係で台本を直前に手渡されたりといった環境には、疑問を抱くことも多かったと率直に語った。

「結局、それはシステムの問題だったようです。ドラマの撮影でも、台本が途中までしか書かれていない段階で撮影に入り、現場でもメモのような台本を渡されるということがありました。撮影当日の朝にA4用紙4枚分の台本を受け取ったときには本当にたまらなくなりました。

 今のような、よい雰囲気の現場ではなかったので、10分前に渡された台本で演じる僕がNGを出したからといって、誰もなぐさめてはくれません。ただ『この俳優には能力がない』とレッテルを貼られるような状況でした」

 近年は、配信作品を中心に製作費が豊かになったことで撮影環境も改善され、時間をかけて準備、撮影が行われるようになった。チュ・ジフンも制作チームの一員として、監督やスタッフと積極的にコミュニケーションをとるようにしているという。

「監督の皆さんも、脚本家の方々もとても忙しいので、『迷惑なんじゃないか』と心配する俳優もいると思います。でも、どんな監督や脚本家でも、自分の作品に出演する俳優と話し合い、作品の細部を追求していくのを嫌がることはありません。結局のところ、よい目標に向かっていくことが大切だからです。

 そして、僕にとって何よりも重要なことは、この15年ほどの間に本当に多くの素晴らしい先輩たちに出会えたことです。先輩の行動や仕事のやり方を見て、自然と多くのことを学んだように思います」

写真提供:釜山国際映画祭(BIFF)

 2019年1月からNetflix始まった『キングダム』への出演で、配信ドラマの分野でも先駆者となった。出演を決めるにあたっては「シンプルな直感」に従ったそうだ。

「あの頃はNetflixが何なのかも、わかっていませんでした。そういう時は、いつもシンプルに考えるようにしています。まずは、親しい先輩のハ・ジョンウさんから、キム・ソンフン監督がとてもよい監督だと聞いていました。

 また、いただいた台本も『これで観客を納得させることができるのか?』とは思いましたが、とてもおもしろかったんです。Netflixもまだ加入者が少なく、あまり知られていないプラットフォームだったので、たとえうまくいかなくても大きな打撃はないだろうと思いました(笑)」

写真提供:釜山国際映画祭(BIFF)