■『吾妻鏡』は中世の「ムー」か「東スポ」だった!?

 さてさて、以前の記事でもオカルト記事満載の『吾妻鏡』を書いた人間はきっと無類の怪異好きに違いないなどと書いたが、UFO都市伝説的なネタ、妖怪怪談などなど幅広いジャンルを網羅している点は、現代の『ムー』や『東京スポーツ』も顔負け。

 しかも、「光り物」と総称されるUFO現象については事細かに分析しているし、「鎌倉版スレイプニル」の一件や「浅草寺の牛鬼」の事件については、簡潔ながらもきちっとした取材記事になっている。これを幕府お墨付きの歴史書に紛れ込ませる狙いはなんだったのだろうか?

 いずれにしても、せっかくこれだけ「センス・オブ・ワンダー」な記事が満載なのだから、大河の向こうを張って『ムー』や『東スポ』監修のドラマ『世にも奇妙な吾妻鏡』なんてのも見てみたいところだ。

(電脳奇談が監修すると言わないところが奥床しいでしょw)

参考文献
『現代語訳吾妻鏡7頼家と実朝、8承久の乱』五味文彦・本郷和人[編]/吉川弘文館
『鎌倉武家事典』出雲隆/青蛙房