■1リットル約200万円!激レアで謎多き「ブルー・ブラッド」

※YouTubeチャンネル「Insider Business」より

 西欧圏では、日焼けをしていないことから白い肌に血管が青く透けるため、貴族や名門出身者を「ブルー・ブラッド」と呼ぶことがある。そして、カブトガニ先輩も、そんな高貴な(?)ブルー・ブラッドの持ち主なのだ。しかも、われわれ人類にとって非常に有用な成分をもっているという(すげえぜ、パイセン!)

 カブトガニの血は透明がかった乳白色で、酸素に触れると青色に変色する。血液から抽出される成分は細菌が持つ「内毒素」と反応してゲル状に固める性質を持ち、ワクチンや注射薬が安全かどうかを確かめる為に、医療の現場で活用されている。さらに、この特殊な成分を買われ「カブトガニパイセン」はいまや宇宙にも進出しているのだ!

 国際宇宙ステーションでは数々の実験を行なうため無菌状態を維持することが大前提。そこで清浄状態を維持するため細菌の多いところを検出し、清掃の不十分な場所を見つけるのに”パイセン”のブルー・ブラッドが大活躍しているというのだ。

 これだけ有用で貴重なカブトガニの血液、アメリカでは毎年50万匹のカブトガニから血液が採取され、海に返されているという。しかも、その血液は採取に時間がかかるため非常に高価で、1リットルあたり1万5000ドル(約200万円)で取引される。

 我々人類が誕生するはるか昔から、その姿を変えずに生き続ける謎の生物、カブトガニ。日本の自然の持つ歴史と、豊かさを象徴している存在、と言えるかもしれない。