チャウヌASTRO)主演のディズニープラス スター『ワンダフルワールド』は、肉親を失った2人が、哀しみを背負いながら見えない権力と戦うヒューマンサスペンスドラマだ。

 心理学教授のウン・スヒョン(キム・ナムジュ)は、報道記者である夫とかわいい息子の3人で幸せに暮らしていた。そんなある日、突然息子を失ってしまう。最愛の息子の命を奪った犯人に言い渡された罪状はあまりに軽く、怒りと哀しみがこらえきれないスヒョンは、自ら犯人を殺してしまう。

 服役中に出会ったひとりの女性の身の上話を聞き、これからの人生を考え直すスヒョン。出所した彼女は、息子の墓前でソンニュル(チャウヌ)と出会う。ソンニュルも自分と似たような傷を負っていることを知ったスヒョンは、ソンニュルの危なっかしい言動が気になって仕方なく……というストーリー展開だ。

■ASTROチャウヌ主演『ワンダフルワールド』刑務所シーンが撮影された「益山刑務所セット場」

『ワンダフルワールド』でスヒョンが服役した刑務所の撮影が行われたのは、全北特別自治道・益山(イクサン)にある「益山刑務所セット場」だ。

 廃校になった小学校の分校の敷地に建てられた韓国で唯一の刑務所セット場で、リュ・スンリョン主演映画『7番房の奇跡』や、パク・ヘスチョン・ギョンホチョン・ヘインらが出演したドラマ『刑務所のルールブック』など、数多くの映画やドラマの撮影が行われている。

 韓国中西部にある益山は、ソウルから木浦(モッポ)駅を結ぶ湖南(ホナム)線と麗水(ヨス)EXPO駅を結ぶ全羅(チョルラ)線の分岐点にあたる。韓国最大の米どころである湖南(ホナム)平野に位置している。

 益山には三国時代に「百済後期の都があった」と推測されている。近年の発掘調査により、ドラマ『薯童謡(ソドンヨ)』のソドン(チョ・ヒョンジェ)のモデルとなった百済第30代王・武王(ムワン)時代の王宮址、山城、王陵と寺址が見つかったのだ。

「百済歴史文化地区」としてユネスコ世界文化遺産に登録されている「弥勒寺址」は、三塔三金堂形式の巨大な寺院だったが、現在は復元された東西の石塔のみ残されている。

 近年、「国立益山博物館」が開館。武王の棺、仏舎利やそれを守りためにクッション代わりに使われた美しいガラス玉など数多くの展示品があり、歴史ファンにはたまらない。

百済第30代王・武王の時代に建てられた「弥勒寺址」には修復・復元された東と西の塔のみ残されている
弥勒寺址に併設されている「国立益山博物館」に展示されている弥勒寺の模型