高句麗遺民の地、高麗神社

 韓国の人を神社に連れて行くときは注意が必要だと前々回に書いたが、この日の観光のハイライトは神社だった。だが、ただの神社ではない。高麗神社(日高市)だ。

「この辺りは700年代に朝鮮半島から日本に渡ってきた人たちが開拓した土地なんですよ」

 と伝えたが、二人はきょとんとしている。無理もない。高麗といえば、もっとあとの時代を指すからだ。正確には高句麗の遺民が開拓した土地だ。神社本殿入口の門の扁額には「高」と「麗」の間に小さく「句」の字が入っている。

高麗神社の入口では韓国式の将軍標が迎えてくれる
高麗神社の鳥居の前で。左から韓国人ゲストの出版社社長とラジオ構成作家、筆者(山下)

 境内の芳名板には参拝者の名前が記されている。出世神社と呼ばれるだけあって、歴代の総理大臣など有名人の名前が目立つ。チ・チャンウクイ・スヒョクキム・ナムギルチョン・イルウ、チョ・ヒョンジェソ・ガンジュンチェ・スジョンなど韓国のタレントや俳優の名前もあった。

 自分たちの祖先ゆかりの地ということもあって抵抗感が薄かったのか、二人はおみくじを引いたり、御神木に触ったりするなど神社体験に積極的だった。

高麗神社の芳名板。『熱血司祭』『アイランド』などで主役を演じたキム・ナムギルの名も
おみくじをくくりつけるゲスト二人
御神木にタッチする二人