■現場スタッフによる見送り

 シグニエル釜山の玄関でバスに乗り込み、発車を待っていると、運転席の窓の向こうでホテルスタッフ20余名が何やら横並びになっている。バスが発車すると、なんと彼らが手を振って我々を見送ってくれるではないか。背広組だけではない。ベルボーイらしき人や、トックブランシュをかぶったシェフもいる。

 ベタといえばベタなもてなしだが、日本式の繊細な接客より、このようなベタな接客のほうが心に響くことがある。エンタメの世界を韓流が席巻した理由のひとつはストレートで力強い感情表現、つまりはベタの力ではなかったか。

 思わぬ見送りに心を打たれた一行は晴れやかな気持ちで次の滞在先、慶州へ向かった。

出発を待つバスの前にシグニエル釜山のスタッフが並び始める
手を振って見送ってくれるホテルスタッフたち。今朝美味しくいただいた白身魚のムニエルはもしかしてあのシェフが調理してくれたのかも。そんなふうに思うと心があたたまる
見送ってくれるスタッフのなかには、フロントで声をかけてくれた客室チーム長の姿も

(つづく)

取材協力:韓国観光公社