ジュノ(2PM)主演ロマンス史劇『赤い袖先』は、朝鮮王朝の名君イ・サン(第22代王・正祖)が生涯唯一愛したとされる宮女との、若き日のロマンスを描いた傑作だ。
主人公イ・サンを演じたジュノが百想芸術大賞で2冠に輝くなど、俳優として名実ともにトップスターの座を確立した本作。日本でもU-NEXT配信のほか、各地のTV地上波放送局やBSで放送され、熱く盛り上がっている。
イ・サンと宮女ソン・ドギム(のちの側室・宜嬪ソン氏)の出逢いから波乱万丈な身分違いの恋、その先に待ち受ける切ない運命……。ここでは物語に散りばめられた珠玉の名セリフから、切なくて心震える言葉を選りすぐって紹介する。
(本記事は韓国オリジナル版全17話をもとに紹介。セリフは字幕や吹き替えと違う場合があります。※以下、一部ネタバレあり)
■『赤い袖先』名場面、イ・サンの切ない告白「お前のすべては私のものか」
遠回しだが、インパクトの強い“愛のセリフ”が多かった本作。なかでも、サンの切ない叫びは、第7話に出てくる。
ドギムも自分のことを慕っていると思い込むサンだが、それが自分の勘違いだったと知り、ショックを受ける。さらに、ドギムが服の袖先に青い腕抜きをしているのを見たサンは、彼女の気持ちがわからなくなってしまう。
神妙な面持ちで書庫の一角に座っていたサンを目にしたドギムが、「何を考えているのですか?」と問うと、「お前のこと……お前を知っているかと」と言いながら近づき、こう問い詰める。
「答えよ。お前は私の味方か? お前のすべては私のものか!」
切実にドギムを求めるサンに対して、彼女の答えはNo。一介の宮女とて心がある、私のすべては世孫様のものではない、とサンの心を非情なまでに打ち砕くドギム。これに感情を爆発させたサンが口にしたセリフが、
「お前のすべては私が決める。お前のすべては私のものだ。生も死も」。
ジュノの殺気迫る表情が切なく胸を締め付ける、ある種“強烈な”愛の告白だった。
しかし、カン・ミガン著のドラマ原作小説では、少し違ったニュアンスでこのセリフが出てくる。世子嬪を含めたやり取りののち、ドギムだけを場に残らせたサンは、ドギムにこう問う。
「今、私が何を考えているかわかるか」