■パキムチ(ネギキムチ)は大人の味
出前して食べたり店で食べたりするチャジャンミョンには、たいてい黄色のたくあんや生のタマネギスライスが添えられる。
『ドクタースランプ』で、チャジャンミョンの付け合わせに、母が漬けたパキムチ(ネギキムチ)を提案するハヌルはなかなかセンスがいい。
ふつうの白菜キムチと比べると、苦み、清々しい辛さ、力強い香り、シャキシャキした歯ごたえのある大人っぽい味だ。キムチとしてもチャジャンミョンの付け合わせとしても上級編である。
なお、劇中の字幕ではネギキムチとなっていたが、韓国のパキムチはたいていワケギを漬ける。
筆者は2022年の秋、たまらない美味しさのパキムチと出合った。日本のグルメ番組の取材で訪れた韓方(漢方)タッカンマリの店だ。
日本人スタッフとともに何度かまかないをいただいたのだが、スタッフ全員がパキムチを美味しい美味しいと言って食べるので、厨房のお母さんが喜んで土産に持たせてくれた。日本のみなさんにもタッカンマリとともにぜひ味わってもらいたい。
夜食を食べたあとのジョンウとハヌルは幸せな時間を過ごした。しかし、実際にチャジャンミョンとパキムチを食べたあとの口は、けっしてラブシーン向きでないことは言っておきたい。