■スンデクッパとソジュの組み合わせを楽しむ
そんなスンデクッパとソジュの組み合わせは、よく言えば大衆的で男性的、悪く言えばおやじ臭いオーダーだ。
「ホンパプ(一人メシ)」とか「ホンスル(一人酒)」が定着しつある我が国でも、『涙の女王』のヘインのような若い女性が、夜一人でスンデクッパをつまみにソジュを飲む姿には「!?」という反応をする人がまだ多い。
日本で言えば、仕事帰りの女性がモツ焼きの煙が上がる居酒屋のカウンターに一人で座り、煮込みと日本酒の熱燗を頼むようなものだろうか。もっとも、30年以上前から「おやじギャル」という言葉がある日本では、むしろ肯定的に見る人が多いかもしれない。
筆者は日本から韓国に来る旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル酒場ツアー」を主宰しているのだが、ツアーを始めた12年前、お客さんは男性中心だった。しかし、ここ5、6年は男女比が女性6割、男性4割と完全に逆転している。韓国の食文化は日本と比べるとまだまだ保守的だなあと思うのはこんなときだ。
そんな日本の女性旅行者には、ぜひスンデクッパとソジュという組み合わせをオーダーして、楽しんでもらいたい。
初めて食べるときは独特の匂いが気になるスンデだが、慣れると病みつきになる人が多い。鉄分が豊富なので女性特有の貧血防止効果も期待できる。ソジュとの相性がよいことに気づけたら、韓国料理通も一流だ。