韓国の世論調査会社「韓国ギャラップ」が今春、全国の満13歳以上の韓国人1777人に、「好きな韓国映画俳優は?」という面接調査をした。その結果から6位から11位の俳優たちを見てみよう。

 上位ランクは男優優位の印象だが、8位に初めて女優がランクインしている。(「韓国人が好きな韓国映画俳優」記事全3回のうちの2回目)

■6位 イ・ジョンジェ(1972年生まれ)/ファン・ジョンミン(1970年生まれ)

 6位にはイ・ジョンジェとファン・ジョンミンがランクイン。イ・ジョンジェはNetflix世界的大ヒット作『イカゲーム』で韓流の世界化を推進した俳優。強い個性があるとは言えないが、『新しき世界』のファン・ジョンミンや『ハウスメイド』のチョン・ドヨン、『10人の泥棒たち』のキム・ユンソクキム・ヘス、『太陽はない』のチョン・ウソン、『情事 an affair』のイ・ミスクなど、共演者を光らせる特殊能力を持っている。

 ファン・ジョンミンが6位に甘んじたのは、1300万人以上を動員した『ソウルの春』で現代史上の最大の悪役(事実上の全斗煥)を演じたことと無縁ではないだろう。『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』の工作員役、『アシュラ』の悪徳市長役、『国際市場で逢いましょう』の朝鮮戦争避難民役などでトップスターの座を決定的なものにしたが、出世作『ユア・マイ・サンシャイン』での不純物ゼロの農村青年役は今も多くの人の心に焼き付いているだろう。

■8位 キム・ヘス(1970年生まれ)/キム・ゴウン(1991年生まれ)

 女優として上位に初ランクインしたのは、この2人。チョ・スンウと共演した『タチャ イカサマ師』を観ればわかるように、キム・ヘスは長らく演技よりグラマラスな肢体が注目されがちだったが、金融危機を予測した銀行チーム長に扮した『国家が破産する日』で演技派として開花。昨年は、ヨム・ジョンアチョ・インソンと共演した『密輸 1970』で500万人以上を動員している。

 キム・ゴウンは田舎娘から都会の検事役まで幅広く演じ、「人間」の機微を感じさせることのできる稀有な女優だ。『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『ユミの細胞たち』『シスターズ』などドラマの印象が強かったが、1200万人近くを動員した近作『破墓』のムーダン役でさらに脱皮し、大女優としての風格を身につけつつある。