Netflixで配信中の新作映画『クロス・ミッション』は、猛暑で消耗しきった心身に喝を入れ、大笑いしてすっきりできる作品だ。主人公は夫婦。妻カン・ミソン(ヨム・ジョンア)は刑事で、夫パク・ガンム(ファン・ジョンミン)は専業主夫だが、じつは情報司令部の特殊要員出身である。今回は本作のキャスティングの魅力について解説しよう。

■Netflix映画『クロス・ミッション』見どころは?『ソウルの春』のファン・ジョンミンと『SKYキャッスル』『密輸 1970』のヨム・ジョンアが夫婦役 

 特殊要員とは、他の作品で言えば、『悪魔を見た』のイ・ビョンホンや『アジョシ』のウォンビン、今年9月にリバイバル上映される南北分断映画の傑作『シュリ』のハン・ソッキュソン・ガンホが演じたエリート捜査官のことである。

 しかし、妻は夫がそんな人間であるなど微塵も思っていないどころか、浮気を疑う始末。そんな二人が国家レベルの危険な任務に関わることになる。この基本設定だけで鑑賞のモチベーションが高まるだろう。

 夫パク・ガンムに扮したファン・ジョンミンは今や韓国を代表する俳優の一人だ。

 イ・ビョンホン、チャ・スンウォンイ・ジョンウンリュ・スンリョンユ・ヘジンキム・ヘス同様、名優輩出年といわれる1970年の生まれ。1990年に映画『将軍の息子』でデビュー。1994年には、ソル・ギョングチョ・スンウ、イ・ジョンウン、キム・ヨジンアン・ネサンなどを輩出し、名優製造所といわれるミュージカル『地下鉄1号線』を経験。2004年に映画『ユア・マイ・サンシャイン』でチョン・ドヨンと共演し、300万人以上を動員して、青龍賞主演男優賞を受賞。

 2014年には、『国際市場で逢いましょう』に主演し、1,400万人以上を動員している。そして、2023年には『ソウルの春』で事実上のチョン・ドゥファン(第11代大統領)を演じ、1,300万人以上を動員。同作は8月23日、日本でも公開される。

 妻カン・ミソンに扮したのは大ヒット作『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』や、新作映画『密輸 1970』などで、日本でもよく知られているヨム・ジョンア(1972年生まれ)。

 目力が印象的な女優で、『家いっぱいの愛』のチ・ジニと共演した『なつかしの庭』や、スーパーマーケットの店員でド・ギョンスの母を演じた『明日へ』、ユ・ヘジンの妻を演じた『完璧な他人』、チョン・ウソン扮する大統領の妻を演じた『スティール・レイン』などの演技が印象に残っている。

Netflix映画『クロス・ミッション』独占配信中