韓国時代劇には、史実に基づいた実録的な作品と、時代設定や登場人物が架空の作品がある。前者の中で、韓国の一時期の史実をダイナミックに描いて歴史解説にも役立つ4本を選んでみよう。どれもスケールが大きい大河ドラマになっている。
■史実をダイナミックに描いた「歴史解説に役立つ韓国時代劇」ベスト4!
●『イ・サン』
[MBC/2007~2008年/全77話]演出:イ・ビョンフン、キム・グノン 脚本:キム・イヨン
出演者(役名):イ・ソジン(イ・サン)、ハン・ジミン(ソン・ソンヨン)、イ・スンジェ(英祖)、イ・ジョンス(パク・テス)
【重要な歴史ポイント】
朝鮮王朝22代王のイ・サンが、数々の困難を克服して名君として成長する姿が波乱万丈に描かれていた。時代設定は、イ・サンの父親・思悼世子(サドセジャ)が米びつに閉じ込められて餓死する1762年から、イ・サンが亡くなって息子の純祖(スンジョ)が即位する1800年までである。
祖父・英祖(ヨンジョ)の厳しい教育、世子としてのイ・サンの奮闘ぶり、即位したイ・サンの政策、政敵との対決、晩年の生き方などが取り上げられていた。フィクションを多用していたが、重要な出来事を的確に扱っており、当時の歴史的な変遷を把握できる内容だった。
(C)2007-2008 MBC
DVD発売・販売元:NHKエンタープライズ
●『善徳女王』
[MBC/2009年/全62話]演出:キム・グンホン、パク・ホンギュン 脚本:キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン
出演(役名):イ・ヨウォン(トンマン=善徳女王)、コ・ヒョンジョン(ミシル)、オム・テウン(キム・ユシン)、キム・ナムギル(ピダム)
【重要な歴史ポイント】
ドラマの内容は朝鮮半島で最初に誕生した伝説の女王の一代記。序盤に登場した真興王(チヌンワン)は、『花郎<ファラン>』(2016年)でパク・ヒョンシクが演じた大王のことだ。
その統治から新羅(シルラ)がどのように強国になっていったかがよくわかる時代劇だった。描かれた時代でいえば、576年から647年まで。この間の新羅と百済(ペクチェ)の領土争いも大きな題材になっていた。また、善徳(ソンドク)女王の善政も克明に描かれていた。
(C)2009 MBC ALL RIGHTS RESERVED.
DVD発売元:フジテレビジョン/ポニーキャニオン DVD販売元/ポニーキャニオン