2025年上半期の韓国ドラマでは、IUパク・ボゴムが主演した『おつかれさま』の評価がとても高かった。先日、授賞式が行われた第4回「青龍シリーズアワード」でも、大賞のほか、IUが主演女優賞、IUとパク・ボゴムが人気スター賞を獲得している。

 このドラマは、主人公2人(オ・エスンとヤン・グァンシク)の人生を幼少期から老年期まで描いていたが、生きた時期に呼応するように、韓国現代史の重要な事件も大きく扱われていた。(以下、一部ネタバレを含みます)

■物語の舞台背景に韓国現代史が描かれる、韓国ドラマ傑作2選!

『おつかれさま』の第11話。オ・エスンとヤン・グァンシクの娘クムミョン(IU/若い頃のエスンと1人2役)は、結婚が破談になってしまい、タクシーの中で涙をこらえきれず号泣した。そのとき、タクシーのラジオから流れるのは、「北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席が死亡した」という報せだった。

 それは1994年7月のことだった。朝鮮半島の情勢を一変させる大きな出来事であり、そのニュース音声とクムミョンの嗚咽がタクシー内で共鳴する、というのが『おつかれさま』の描き方であった。

 それだけでなく、韓国で1997年に起こった経済危機も『おつかれさま』の中で重要な転換点として物語に組み込まれていた。このように、『おつかれさま』では韓国現代史をストーリーにリンクする手法が取られた。

●配信情報

Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中

[2025年/全16話]演出:キム・ウォンソク 脚本:イム・サンチュン

出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリパク・ヘジュン、キム・ヨンリム、ナ・ムニヨム・ヘラン、オ・ミネ、チェ・デフン、チャン・へジン