今や配信サービスの充実によって、少女時代ユナ主演『暴君のシェフ』や2PMジュノ主演『テプン商事』といった旬の韓国ドラマを、リアルタイムで見られるようになった。そうなってくると、膨大なリストから「次にどんなドラマを見たらいいか」という贅沢な悩みが出てくる。好きな俳優の出演作、SNSで評判の人気作、自分の趣味嗜好に合いそうな作品……とにかく見たいドラマがありすぎるのだ。
■次に見るべき韓国ドラマに迷ったら、自分なりの「最高傑作ベスト10」を振り返ってみる
韓流ブーム初期から韓国ドラマを紹介してきた作家の康熙奉氏は、新刊エッセイ『韓国ドラマ究極ベスト選 史上最高の韓流傑作は何か』についてのインタビューでこう語っている。
「2025年も『オク氏夫人伝』から始まって『トラウマコード』『おつかれさま』『エスクワイア』と来て、ワクワクしている間に『暴君のシェフ』にも夢中になりました。時間が足りないと痛感するほど、見るべきドラマが本当に多いです」
康氏は、そんな作品選びに迷ったら、まずは自分がハマる傾向や好みなどを把握するために、「自分の最高ドラマベスト10」といったランキングリストを作ってみることをお勧めするという。傑作ベスト10でもいいし、ラブコメや恋愛ストーリー、時代劇といったジャンル別に作ってみるのも良いそうだ。
「新作ドラマの傑作が自分のランキングのどこに入ってくるのかが気になります。今までは『冬のソナタ』が不動の1位だったのですが、それを超える作品があるのかどうか……。
20数年間韓国ドラマを見てきて、いろんな作品に印象的な記憶があり、その記憶こそが最高の贈り物だと思っています。そういった記憶を呼び起こしながら、新しい作品も見ています。過去のレジェンド級の作品と比較しながら見ていると、新作の輝きもよくわかります」(康氏)
康氏のアドバイスに従って、「韓流の史上最高傑作」を選ぶとしたら、どんなラインナップになるだろうか。ここでは、その候補になりそうな10本を制作年順に挙げてみる。
『冬のソナタ』(2002年)
『宮廷女官チャングムの誓い』(2003~2004年)
『私の名前はキム・サムスン』(2005年)
『トンイ』(2010年)
『ミセン-未生-』(2014年)
『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』(2016~2017年)
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(2018年)
『愛の不時着』(2019~2020年)
『梨泰院クラス』(2020年)
『涙の女王』(2024年)
今回はこのようなラインナップになった。もちろん、人によって候補作はいろいろあるだろうが、韓流ブーム初期作から見ていくと、この10本が目安になることは間違いない。
『冬のソナタ』は2004年、日本に爆発的な韓流ブームをもたらした記念碑的な作品であり、古くからの韓流ファンにとっては今でもレジェンド級のドラマとなっている。今なおこの作品をベスト1に挙げる人も多いのではないだろうか。
イ・ヨンエ主演『宮廷女官チャングムの誓い』は時代劇の最高傑作という呼び声が高い。小栗旬と共演のNetflix新作『匿名の恋人たち』がいま話題を集めているハン・ヒョジュの主演作『トンイ』も、根強い人気を誇る。この2作品はともに「時代劇の巨匠」イ・ビョンフン監督の傑作である。
ラブコメなら、ヒョンビンの大ブレイク作『私の名前はキム・サムスン』が絶大な支持を集めるだろう。制作から20年経つが、まさに「ラブコメの金字塔」と言えるほどに評価が高い。