Netflix『隣の国のグルメイト』シーズン4の9話で、バラード歌手ソン・シギョンと『孤独のグルメ』の松重豊が食べたタッペクスッ(韓国式の鶏の水炊き)は、都市に住む韓国人が週末、空気のよいところへ出かけたときに食べたくなるものだ。
とはいえ、2泊か3泊でソウルに来る日本の旅行者は、郊外に出かける時間の余裕はないだろう。ちょうど先日、番組を見た日本人からリクエストを受け、ソウル旧市街の中心部にあるタッペクスッの店に行ってみたので紹介しよう。
■タッカンマリの次にチャレンジしたい鶏料理、タッペクスッ
その店は、1月5日に亡くなった国民的俳優アン・ソンギの葬儀が行われた明洞聖堂や、ファン向けの会葬が行われたソウル映画センターから徒歩5分ほどの忠武路エリアにある。混雑するランチタイムを避け、1時半頃店に入ったにもかかわらず、7割方席は埋まっていた。
店名には「サランバン・カルグクス」と麺料理の名前が冠されているが、目玉はタッペクスッ。開業してから60年近く、幾度も皿や酒杯が行ったり来たりしてすり減ったテーブル、テレビで紹介されたことを伝えるパネルが臆面もなく貼られた壁は80年代テイストにあふれ、料理への期待が高まる。
頼んだのは20,000ウォンのタッペクスッ。タッペクスッには鍋で提供されるタイプと蒸し煮された鶏肉だけが提供されるタイプがあるが、この店は後者。その代わり、鶏でダシをとったスープが添えられる。
やわらかく骨からスッと離れる肉は鶏の風味を殺さないほどよい塩加減。ほのかにニンニクも感じられ、食欲が増す。サムゲタン、タッカンマリの次にチャレンジする鶏料理としてベストの選択だ。
筆者は50代の日本人と2人で食べたのだが、マッコリを飲みながらつまむのにちょうどいい量だった。女性なら3人でも適量だろう。今どき鶏を1羽食べて20,000ウォンは良心的だ。