町工場や個人商店が集まっていて、再開発によってごちゃごちゃしたアジア的な街並みが消えかかっていたが、この十年ほどのレトロブームで古い建物の味わいを生かしたバーやレストランが急増。いまやソウルのホットスポットのひとつになった乙支路3街(ウルチロサムガ)エリアに、2025年末、スクリーンカルチャー施設「ソウル映画センター」がオープンした。明洞エリアからも徒歩3分と、アクセスが便利だ。

■乙支路3街にオープンした「ソウル映画センター」、新旧名作映画のポップアップ展示開催

 ソウル映画センターは、ミニシアターや野外シアターなどを備え、随時、企画展示などが行われる。

 2月末までは、4階の展示フロアで「SEOUL, FILM AND CANVAS」と題された新旧の韓国映画から選ばれた下記9作品をモチーフにしたポップアップ展示が行われている。

 この9作のセレクトが、軽快なラブストーリーあり、社会派あり、ベテラン俳優の若い頃の出演作ありと多彩で、なかなかセンスがよいので、DVDや配信などでぜひ鑑賞してもらいたい。

屋上に開設された野外シアター
2月末までは4階で新旧の名画9本のポップアップが展示される

パク・ジフ主演『はちどり』(2019年)

今、私たちの学校は…』『シスターズ』のパク・ジフが思春期の少女を好演。1980年代後半に一応の民主化を成したものの、今とは比べ物にならないくらい世相が不安定だった1990年代の韓国社会を描いた作品。

イ・ミンギ&キム・ミニ主演『恋愛の温度』(2012年)

 主演は、2月14日から日本で公開されるホン・サンス監督作品『私たちの一日』のキム・ミニと、『私の解放日誌』のイ・ミンギ。二人が扮するカップルの離別後の人間模様が見ものという、ユニークなラブストーリー。

イ・ジェフン&ペ・スジ主演『建築学概論』(2012年)

復讐代行人~模範タクシー~』のイ・ジェフンと、『スタートアップ:夢の扉」『イ・ドゥナ!』のペ・スジが大学時代の主人公男女を演じている。彼らが俳優として開花し始めた頃の初々しい姿が見られる作品。ソウル城北区の美しい風景も楽しめる。

ユ・ジュンサン主演『次の朝は他人』(2011年)

『環魂』『悪霊狩猟団:カウンターズ』のユ・ジュンサン扮する映画監督が、虚ろな目でソウルの北村をほっつき歩くホン・サンス監督作品。オーバーツーリズムが問題になる前の冬の伝統家屋街の風景が見もの。仁寺洞の今はなきマッコリ酒場「ワサドゥン」も登場。共演はキム・サンジュン、終盤には『善徳女王』『マスクガール』のコ・ヒョンジョンが特別出演する。

ユ・ジュンサン(右)とキム・サンジュン出演『次の朝は他人』ポップアップ