Netflix配信の日韓食べ歩き番組『隣の国のグルメイト』シーズン4第12話では、松重豊が『孤独のグルメ』の撮影で訪れたことがあるという、北海道・旭川の老舗居酒屋「独酌 三四郎」を訪問。大衆酒場ではあるが、どこか凛とした空気が感じられ、各地の飲食店を巡って日本らしさを追求している同伴者ソン・シギョンを大いに喜ばせた。
■『隣の国のグルメイト』で松重豊が初めて積極的に呑むと言った日本の老舗店
松重豊は禁酒を誓っているため、『隣の国のグルメイト』ではほとんど酒を口にしてこなかった。だが、この店には特別な思い入れがあったようで、「今日は私もちゃんとお酒でお付き合いしますから」と言い出し、「ありがとうございます。なんか泣きそう。付き合ってくださるとは……」と、酒豪ソン・シギョンを喜ばせた。
この番組は、松重豊がソン・シギョンを相手に酒を解禁するのか、それとも最終回まで逃げ切るのかが見どころのひとつだったが、通算50回目のロケで初めてちゃんと呑むことになったわけだ。それが、降りかかる火の粉(酒の誘惑)をはらいにくい “飲酒天国” 韓国ではなく、日本の老舗酒場でというのがおもしろかった。
■日本の老舗飲食店は韓国人の羨望の的
韓国人が日本の飲食文化と向き合ったときに感動するというか、うらやましいと思うことは、日本には老舗と呼ぶにふさわしい歴史のある飲食店が数多く残っていることだ。
韓国に老舗の飲食店が少ない理由としてよく挙げられるのが次の二つだ。
儒教思想の影響で、職業に対する貴賤意識が強い時代が長く続いた。そのため飲食業はやがて事務方の仕事に就くまでの資金稼ぎの手段と見られがちだった。
また、1950年から1953年まで続いた朝鮮戦争の戦火は、釜山と慶尚道の一部、済州道を除く全域に及んだ。とく大きな商圏をもつ都市ソウルは壊滅的な被害を被ったため、日本植民地時代から続いた歴史ある店が命脈を断たれた。