ソウルの金浦空港を早朝の6時に出発する飛行機に乗るために、サウナを利用した。ソウルのホテルは高い。コロナ禍が明け、一気に値あげされ、倍近くの値段になった。
金浦空港を出発する便は国内線とはいえ、遅くても朝の5時にはチェックインをすませたい。金浦空港は24時間空港ではなく、ターミナルが開くのは朝5時頃のようだった。ターミナルの扉が開いたら、すぐにチェックインカウンターに向かわなくてはならない。オンラインでチェックインもできるだろうが、そこから台湾に向かう乗り継ぎ便だった。できればカウンターで乗り継ぎ便の確認もしたかった。
■ソウル金浦空港の早朝便に乗るため、サウナで仮眠することに
ホテルに泊っても朝の4時には金浦空港に向かわないといけない。1泊2万円以上する空港周辺のホテルをパスし、サウナを探した。空港へは徒歩圏内のサウナがあったが、評判はあまりよくない。そこで空港から地下鉄で6駅ほどのカチサン駅に近いサウナで仮眠をとることにした。
サウナはバス通りに沿っていた。地下におりる構造だった。利用料は1万ウォン(約1074円)を払ってサウナに入った。ドアを開けて施設に入ったとたん、暖かさと湿気に包まれた。とろけるような気分だった。
サウナ、韓国語でチムジルバンと呼ばれる施設ははじめてではない。昔、ソウル駅近くのサウナを利用したことがある。最近は仁川空港のターミナル内にあるサウナで仮眠している。しかし、どちらも寒い季節ではなかった。
今回は12月。外気温は氷点下になっている。そんな気候のなかで入るサウナは、また別の意味があるような気がした。
広い浴槽の風呂に入り、薄暗い雑魚寝スペースに体を横たえた。体が湿気を得てほッとしているのがわかる。
冬のソウルのホテル。部屋は床暖房やエアコンで暖かいが、どうしても乾燥してしまう。ソウルの人たちも、加湿器を使う人が多い。以前、風邪気味だったとき、僕は濡れたタオルを床に敷いた。湿気を高め、喉の痛みを軽くしようと思ったのだ。冬のソウルの宿では、いかに部屋の湿気をあげるか……が、快適にすごすポイントになると思う。
しかしサウナは大丈夫だった。なにしろ浴室があるわけだから、そこからの湿気が施設内を満たしてくれる。加湿器を使ったり、濡れタオルを床に敷くこととは格違いの湿気に包まれる。寒い時期はこれがありがたい。
サウナはソウルの人たちの日常生活に溶け込んでいるから、韓国ドラマにもよく登場する。『キング・ザ・ランド』『愛の不時着』『青い海の伝説』などでロケ地に使われているサウナは「紅参スパ炭火窯サウナ」だ。北朝鮮との国境に近い坡州(パジュ)市にある。屋外にバーベキュー施設もあり、サウナに浸かり、バーベキューも楽しむ観光エリアにもなっている。
韓国ドラマに登場するサウナのシーンは、ほのぼのとしたものが多い。おそらくソウルの人たちにとって、サウナはのんびりとする場所なのだ。