見るとその老人の前にはそばも置かれていた。ご飯、フレンチトースト、そば……。家にこもりがちな老人にとっての週に2回の外食……。働いていた頃、日々食べていた料理につい手がのびてしまうといった感覚だろうか。そんな食の満足感をこの店は満たしてくれるらしい。
しかしそれにしても、老人たちの皿にはかなりの量のおかずが載っている。これを平気でたいらげるとしたら、なかなかの健啖家である。
「今日は朝も食べていない。たぶん夕飯も簡単にすませる。ここへくる日はだいたいそうですよ。私も70歳を超えているから、食欲がそうあるわけじゃない。でもここにくると、ついいろいろと皿に盛ってしまう。あまり残すと追加料金になるって聞いたから、適度にしないといけないんですがね」
年金暮らしの老人の仲間が説明してくれた。僕のことを気遣ってか英語で話してくれる。大手企業に勤めていたのかもしれない。
ソウルで増える食べ放題系の店。ソウルの老人社会に出合ってしまった。


