Netflixの日韓食べ歩き番組『隣の国のグルメイト』シーズン5の9話は、食通のバラード歌手ソン・シギョンが三吉彩花をソウル北西部にある延曙市場(ヨンソシジャン)に案内した。ソウル中心部ではないため、日本の韓国旅行リピーターのあいだでも知る人ぞ知る市場だが、広蔵市場(クァンジャンシジャン)に飽きた人やお酒が好きな人、一人飲みしたい人におすすめだ。

韓国らしさ満載!ソウル北西部にある延曙市場のレトロなフードコート

 延曙市場は仁寺洞益善洞から近い鐘路3街(チョンノサムガ)駅から地下鉄3号線で30分弱のヨンシンネ駅前にある。2番出入口から地上に出て歩道を道なりに歩き、Paris Baguette(ベーカリー)を過ぎた辺りの左手に赤い看板が見える。そこから建物内に入って50メートルほど歩くと、右手に裸電球がぶら下がった空間が広がっていて心が浮き立つ。

 韓国の市場の構造には大きく分けて「通路型」と「広場型」がある。日本人観光客におなじみのソウルの通仁市場(トンインシジャン)や仁峴市場(イニョンシジャン)、中央市場(チュンアンシジャン)は通りの両脇に店が連なる典型的な「通路型」だ。

 一方、「広場型」は体育館のような空間に屋台や露店商が集まっている。地方に多いのだが、ソウルだとヨンシンネ駅の3駅手前の弘済(ホンジェ)駅前にある仁王市場がそれに当たる。延曙市場の室内屋台街は「広場型」と言ってよいだろう。

 石井裕也監督の日韓合作映画『アジアの天使』では、池松壮亮扮する売れない小説家とチェ・ヒソ扮する場末の歌手が初めて言葉を交わしたシーンがここで撮影されている。

 カウンターだけの飲食店がほとんどで室内屋台街の趣だが、広蔵市場のように広過ぎないので、歩いてぐるりと回れば2、3分で全体像が把握できる。

 ソン・シギョンは数軒のお店で好きなものを注文し、陣取った店に持ってきてもらっていたが、それは外国人旅行者にはハードルが高い。座った店の料理を頼むのが無難だろう。2、3軒ハシゴしてもいい。

延曙市場で筆者が注文したスユク(茹で豚肉
延曙市場で筆者が注文したスンデ(腸詰)