軍隊を舞台にした料理コメディ『伝説のキッチン・ソルジャー』。話が進むにつれて、軍人たちの給食作りを担当する炊事兵ソンジェ(パク・ジフン)をはじめとする兵士たちの心が通い合い、給食の内容もグレードアップしてきた。だが、物語の終盤、部隊が消滅の危機に瀕する。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『伝説のキッチン・ソルジャー』11話、粉もので料理大会に挑もうとしたソンジェ

 部隊存続に向けてわずかな望みは、軍の給食料理大会で優勝すること。競技は3人1組のチームで争われ、材料費は1食4,500ウォン基準というルールだ。

 ソンジェと先輩炊事兵(イ・ホンネ)と上等兵(カン・ハギョン)は、カルグクス韓国式手打ちうどん)を使ったスパゲティやユクジョン(牛肉のピカタ)を主菜とした定食で勝負することに。

 料理大会を控え、ソンジェはカルグクスやスジェビ(すいとん)を作ろうとする。

 低炭水化物ダイエットが注目される今は、炭水化物を敬遠する人も少なくないが、小麦粉は朝鮮戦争(1950年~1953年)で世界最貧国になった時代に米国からの支援物資として重宝されたので、その簡便さと食べ応えは韓国人の心身に刻み込まれている。若い軍人にとって粉ものは今でもごちそうだろう。

 戦時に全国から避難民が押し寄せた釜山ミルミョンも、今も専門店のソルロンタンに入っているも、20年くらい前までは珍しくなかった小麦粉の割合が多いマッコリも、粉ものが米の代用品として人々の腹を満たした時代の産物だ。スジェビ、日本で言う「すいとん」も同じような“救荒食”だったと聞いたことがある。

スジェビ(すいとん)入りのカルグクス
韓国料理ユクジョンは、牛肉に小麦粉と卵の衣を着けて焼いたもの
釜山の居酒屋で出てきたユクジョン