「トッポッキはもともと宮中料理だったんですよ。当時、味のベースは醤油でした。その後、韓国に唐辛子は伝わった。そこで生まれたのがコチュジャンなんです。トッポッキはそんな環境のなかで生まれたんです。

 ただ、トッポッキタウンのトッポッキは少し違う。1950年代、ある女性がたれがついたトックをチュンジャン(甘めの味噌)で炒めて出したそうなんです。これが好評で、さらにそこにコチュジャンを加えて独自のたれをつくっていった。それがトッポッキタウンのトッポッキなんです」 

 声をかけた韓国人の知人は、新堂洞トッポッキタウンへの道を歩きながら、そんな説明をしてくれた。

 しばらく歩くと、背の高いビルが消え、しだいに商店と住宅が混在するようなエリアに入っていった。進むと正面にアーチが見えてきた。そこには『新堂洞トッポッキ飲食街』という韓国語が書かれていた。僕はトッポッキの店が集まっているだけのエリアを想像していたが、専門飲食街になっているようだった。

 なんだか期待が持てそうだった。時刻は夕方の6時すぎ……。しかしトッポッキタウンに入って足が止まった。店の前にも長い列ができていたのだ。(つづく)

トッポッキの店の前にはどこも列ができていた。人気の料理なのだ