韓国の料理のなかで常に最安値グループの中核を担ってきたチャジャンミョン。ルーツは中国料理の炸醤(ジャージアンミエン)である。日本風に発音するとジャージャー麺だろうか。それが韓国風にアレンジされ、韓国中華の定番料理になっていった。

 その安さも手伝って、僕はこのチャジャンミョンをよく食べる。そこで気になるのは、小皿で出される「たくあん」(韓国語で단무지/タンムジ)だった。必ずついてくる。

■チャジャンミョンやうどんを頼むと、必ず小皿でついてくる「たくあん」

 以前、本を書くこともあり、カメラマンと一緒に、4日間ほどチャジャンミョンを食べ歩いたことがあった。その後、カメラマンはこういった。

「10年分ぐらいのたくあんを食べたような気がしますよ」

 10年分というのは、いささかオーバーかもしれないが、このチャジャンミョンに限らず、韓国の人はたくあんをよく食べる。うどんを頼むと必ずついてくる。キムパム(キンパ海苔巻き)の具には必ずたくあん。

 それも最近の日本ではほとんど見かけなくなった、黄色のたくあんである。その頃はコンビニでもたくあんは単体で売られていた。カップ麺や弁当を買い、一緒にたくあんということだろうか。

ソウル駅のフードコートのキムパム。海苔で巻いたキムパムの具にはたくあん。さらに小皿でたくあん。韓国人はたくあん好きだ 
日本でも韓国食材店で売られている、韓国の黄色いたくあんのパック