韓国で訊くと、チャンポンは韓国中華の店で出される料理のようだった。そして本場は仁川だという。
以前、この連載で紹介したチャジャンミョンと同じだった。仁川にはチャジャンミョン博物館もある。
仁川に行ったらチャンポン……。そんな思いがあったのだ。
そのときは、韓国在住の日本人女性も一緒だった。彼女が店の人に訊くと、韓国チャンポンのルーツは日本ではなく、中国だという。
「山東省で食べられていたチャオマミエンの韓国バージョンですよ。仁川の中国料理店で出されれいたんです。それを見た日本人がチャンポンと呼んで、チャンポンになったんですよ」
調べるとチャオマミエンは炒碼麺と書く。日本でもこの麺料理を出す店があり、北京チャンポンとも呼ばれているようだった。
なんだか話が複雑になってくる。山東省の炒碼麺は、もとは北京料理なのだろうか。
日本のチャンポンにしても、もとは福建系の麺だから、仮に韓国チャンポンが山東省から伝わったとしても、中国系であることに変わりはない。
その後、いろいろ調べてみると、韓国チャンポンは、どうも山東省の炒碼麺説が有力のようだった。北京チャンポンというのは、日本人がわかりやすくするためにつけられたメニュー名の可能性が高い。
しかし韓国の知人に訊くと、仁川のチャンポンとソウルのチャンポンはまた違うという。なんだかさらに混乱しそうだが、やはりソウルでも食べてみないといけない。そこで僕にとっての韓国食堂であるソウル駅のフードコートに向かうことになる。
その話は次回に。