――では最後に、『悪鬼』のどんな部分に注目すれば、より楽しんで視聴できるでしょうか?

 ク・サニョンやヨム・へサン、そしてホン・ギョンさんが演じるイ・ホンセ刑事たちが、悪鬼の正体を突き止めようとしますが、その過程にミステリアスな事件が絡まっていきます。3人が互いにぶつかり合い、傷つき合いながらも、ひとつのチームとなり事件を解決していこうとします。そして各エピソードごとに出てくるいろんな幽霊たちにも興味を持って見ていただければと思います。

『悪鬼』は韓国的なオカルト作品ではありますが、人間の暮らしというものは国が違っても似たようなところは結構あると思うんですね。特に韓国特有の恨(ハン)は、無念さとかなかなか晴らせない悲しみの感情、いろんなものが絡み合った複雑な感情を指します。

 でも私は日本の小説とか漫画、アニメなどを見ても、韓国の恨(ハン)に近いものが描かれているような印象を受けました。ですから、この『悪鬼』というドラマをご覧になって、韓国と日本のどういう所が違って、どういう所が近いのか? 韓国特有のものだと決めずに、世界の人々はだいたい同じようなことを考えて暮らしているんだなという風に考えながら見ていただきたいなと思っています。

 あとは、キム・テリという本当に素晴らしい役者さんが一人二役に挑戦していますので、彼女の演じる“悪鬼”をぜひ楽しみにしていただければと思います。

●キム・ウニ脚本家Profile

 1972年1月7日生まれ。元々はSBS芸能番組の補助作家として活動していたが、映画監督・脚本家のチャン・ハンジュンと結婚後、本格的にシナリオ作家を志す。脚本家デビューはイ・ビョンホン主演映画『夏物語』(2006年)。ドラマ脚本1作目となるシン・ハギュン主演『危機一髪!プンニョンマンション』(2010年)、2作目のパク・シニャン主演『サイン』は夫チャン監督と共同執筆した。

 その後ソ・ジソブ主演『ファントム』(2012年)、パク・ユチョン主演『スリーデイズ』(2014年)と連続ヒットを飛ばし、イ・ジェフンキム・ヘスチョ・ジヌン主演『シグナル』(2016年)が大ヒット。同年の『百想芸術大賞』テレビ部門で作品賞、脚本賞、女性最優秀演技賞を受賞したほか、2018年には坂口健太郎主演で日本版リメイクも制作された。

 2019年からはチュ・ジフン主演ドラマ『キングダム』シリーズがNetflixで世界配信され好評を得ている。今年4月に韓国公開され、久々に夫チャン監督がメガホンを取り、自身が脚本を手がけた青春コメディ映画『リバウンド』がスマッシュヒットとなった。

『悪鬼』(C) STUDIO S. All rights reserved.

●配信情報

『悪鬼』

ディズニープラス スターにて独占配信中(全12話/毎週金・土に2話ずつ配信)

(C) STUDIO S. All rights reserved.

演出:イ・ジョンリム 『VIP-迷路の始まり-』、キム・ジェホン『花たちの戦い-宮廷残酷史-』 脚本:キム・ウニ 『キングダム』『シグナル』

出演:キム・テリ 『ミスター・サンシャイン』、『二十五、二十一』、オ・ジョンセ 『サイコだけど大丈夫』