韓国旅行の楽しみは多い。グルメ、ショッピング、名所めぐり、文化体験……様々な興味が湧いてくるが、韓国ドラマの魅力に没入した途端に強く惹かれるようになったのが、韓国全土のロケ地めぐりだった。

秋の童話』の束草(ソクチョ)、『冬のソナタ』の南怡島(ナミソム)や湫岩(チュアム)海岸、『天国の階段』の舞衣島(ムイド)など。ドラマの面白さに夢中になると、名場面が撮影された場所にぜひ行ってみたくなる。それが自然な気持ちだった。

四季シリーズ春のワルツ』ロケ地、青山島の美しさに魅せられる

 しかも、名作のロケ地はどこも素晴らしいところばかりだ。それには理由がある。韓国ドラマは撮影の適地を探すロケハンをとても重視しているからだ。地理に詳しい人が全土をくまなくまわって最高の撮影場所を見つけてくる。

 そのことを一番痛感したのが、『春のワルツ』の青山島(チョンサンド)に行ったときであった。ユン・ソクホ監督が物語の舞台となる素朴な村を探して徹底的にロケハンをして見つけた青山島は、「天然の撮影セット」と言えるほど絵になっていた。

 実際、ロケ地めぐりに魅せられて韓国各地に行ったが、「またぜひ絶対に行きたい」と思わせてくれる場所の筆頭がやっぱり青山島だった。

 ここは、朝鮮半島南西部の多島海海上国立公園の中にある。莞島(ワンド)からフェリーで40分にて「海釣りの天国」という異名を持つ半農半漁の素朴な島に着く。一周してみると、美しい菜の花畑や青々とした麦畑が印象的。そして、どこにいても真っ青な海が目に入ってくる。そうした美しい景観を見ていると、「人生に大切なものを見つけたかも」という心情になってくる。この充実感はなにものにも代えられない。