〔1784年〕宜嬪ソン氏が翁主(オンジュ/国王の側室が産んだ王女)を産んだが、2カ月足らずで早世した。その後、宜嬪ソン氏の長男が世子となった。名前は文孝(ムニョ)世子である。まだ満2歳にもなっていなかった。

〔1786年〕5月に文孝世子が早世した。さらに、妊娠していた宜嬪ソン氏が9月14日に亡くなった。享年33歳。11月に入ってから、宜嬪ソン氏の墓が文孝世子の墓のとなりにつくられた。

〔1790年〕側室の綏嬪(スビン)パク氏がイ・サンの二男を出産する。

〔1794年〕水原(スウォン)で華城(ファソン)の工事が始まる。

〔1796年〕華城が完成する。

〔1800年〕6月にイ・サンが発熱して腫物に苦しめられる。徐々に衰弱して6月28日に永眠した。イ・サンの二男が即位して23代王・純祖(スンジョ)となる。

 以上の年表の中で、補足の説明が要るのは臨終の場面だ。

 実は、イ・サンが息を引き取ったときに看取ったのは大妃の貞純(チョンスン)王后だけであった。それは、イ・サンが危篤になっていたとき、彼女が強制的に他の重臣たちを別室に下がらせたからである。

 このことが大問題となった。貞純王后がイ・サンの遺言を捏造する危険性もあったからだ。

 こうした事実から、貞純王后がイ・サンを毒殺したのではないか、という毒殺説も流布するようになった。イ・サンとしても、政敵であった貞純王后だけには看取られたくなかったであろう。

●作品情報

『赤い袖先』

[2021年/全17話]※TV放送は日本編集版の全27話

演出:チョン・ジイン、ソン・ヨナ 脚本:チョン・ヘリ

出演:ジュノ(2PM)、イ・セヨン、カン・フン、イ・ドクファ

DVD&Blu-ray販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン