ディスニープラス スターで配信中の話題作『悪鬼(あっき)』。主演は『ミスター・サンシャイン』『二十五、二十一』のキム・テリ、共演に『椿の花咲く頃』『サイコだけど大丈夫』のオ・ジョンセのほか、『弱いヒーロー Class1』で注目の若手俳優ホン・ギョンらが出演するオカルトミステリーだ。

 ク・サニャン(キム・テリ)は、母親に突然ある屋敷に連れて行かれる。幼い頃死んだと聞かされていた父親が謎の死を遂げたと連絡があり、最後の別れを告げるために父の実家を訪れたのだという。

 そこで父の遺品として祖母から渡された古い髪飾りを手にした瞬間、サニャンは悪鬼に憑かれる。

■キム・テリ主演『悪鬼』の撮影地安東の伝統村

 本作『悪鬼』のヒロイン、サニャンの父の実家「化源斎(ファウォンジェ)」として登場した古宅は、慶尚北道・安東(アンドン)にある君子村(クンジャマウル)にある。

 安東といえば、600年ほどの歴史がある河回村(ハフェマウル)が有名だ。村の周囲を洛東江(ナクトンガン)が包み込むように流れている伝統村で、対岸の芙蓉台(プヨンデ)から村を一望することができる。

安東を代表する観光地である安東河回村は、洛東江を挟んで対岸に位置する芙蓉台から一望できる

 一方君子村は、同じく600年ほど前に光山金氏の金孝虜(キム・ヒョロ)が定住し、その後約20代に亘り子孫が住み続けている。元々は洛東江に近い烏川(オチョン)という村にあったが、安東ダム建設のため、1974年に2キロ離れた現在の位置に移築した。

 かつてこの村に立ち寄った安東府使が、金孝虜の内孫と外孫たち7兄弟を見て「烏川村には君子以外の人はいない」と感嘆したことにちなみ、君子村と呼ばれるようになったという。

 現在でも20軒の伝統韓屋があり、うち7軒では韓屋ステイ体験ができる。その中の1軒である後彫堂(フジョダン)宗宅のサランチェ(家長の生活空間)が、『悪鬼』に登場した古宅だ。

 ドラマでは恐ろしい事件の場として登場したが、実際の君子村は、豊かな自然に囲まれ、ゆったりとした時の移ろいを感じることができる。