工事は1794年から始まり、周囲6キロの城郭が2年半で完成した。当初は建設に長くかかると予想されたが、実際には驚くほど工期を短くすることができた。その功労者が、実学者として有名だった丁若鏞(チョン・ヤギョン)だ。彼が考案した起重機が華城の建設に大きく貢献したのである。

 イ・サンは、堂々たる華城に象徴された水原の発展を目の当たりにして大満足だった。そして、しだいに水原に遷都しようと考えるようになった。彼がもっと長生きしていれば、都が水原に移った可能性はとても高かった。

 しかし、思い通りにはならなかった。原因はイ・サンの健康問題だ。彼は1800年6月、高熱と腫れ物に苦しめられて、からだがどんどん衰弱してしまった。その末に、6月28日に48歳で亡くなった。

 早すぎる死によってイ・サンは、遷都という王朝最大の事業をやり遂げることができなかった。とはいえ、今のソウルの発展を見ると、「果たして水原への遷都は必要だったのか」という思いも湧き上がってくる。

 50年も生きられなかったイ・サンであるが、達成した政治的業績だけで、彼の名声は不朽の輝きに満ちている。

●作品情報

『赤い袖先』

[2021年/全17話]※TV放送は日本編集版の全27話

演出:チョン・ジイン、ソン・ヨナ 脚本:チョン・ヘリ

出演:ジュノ(2PM)、イ・セヨンカン・フンイ・ドクファ

DVD&Blu-ray販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン