パク・ヒョンシクパク・シネ主演のNetflixドクタースランプ』は、掛け合い漫才のような主人公2人の会話と、挫折から立ち上がる2人の人生再生ストーリーがよく描かれていて、とても楽しいドラマだ。

 高校時代にライバルだったヨ・ジョンウ(パク・ヒョンシク)とナム・ハヌル(パク・シネ)。14年後、ジョンウは花形の美容整形外科医に、ハヌルは大学病院の麻酔科医となるが、トラブルにより2人とも職を失うことに。莫大な借金を抱えたジョンウの引っ越し先がハヌルの実家の屋根部屋だったことから再会した2人。かつてのライバル同士が、火花を散らしつつも互いに思いやりを見せるロマンティックコメディだ。

■Netflix人気作『ドクタースランプ』ロケ地束草の名物、オジンオスンデ

『ドクタースランプ』第3話でジョンウとハヌルは、気分転換に日の出を見に行く。2人が出かけたのは韓国北東部にある江原特別自治道・東海岸の海、東海(トンヘ)だ。

 厚い雲に覆われ、あいにく日の出を見ることができなかった2人だが、この旅を通じ、同じ境遇に置かれた2人の距離が一気に縮まるという大切なシーンだった。

 その後、車で赤色と青色の2つの橋を渡りドライブする。このシーンの撮影が行われたのは束草(ソクチョ)だ。

 海に面した束草の東側にはいくつもの漁港があり、西側には国内外を問わず人気の雪岳山(ソラクサン)がそびえる。特に秋の紅葉シーズンには、大勢の観光客が訪れ、ケーブルカーには数時間待ちの列ができるほどの混雑を見せる。

 潟湖である青草湖(チョンチョホ)の入口にはアバイ村がある。ここには朝鮮戦争のときに北朝鮮の咸鏡道(ハムギョンド)から避難してきた失郷民たちが暮らしている。アバイ村は、ソン・ヘギョソン・スンホン主演『秋の童話』のロケ地としても有名だ。

『秋の童話』のロケ地でもある束草・アバイ村へは筏のようなケッペという渡し舟に乗り5分ほどで到着する

 アバイ村の名物料理は、「韓国版いかめし」のオジンオスンデ。咸鏡道の郷土料理であるスンデ(腸詰め)を作ろうとしたが豚の腸が手に入らず、代わりに束草で水揚げされるイカに具材を詰めて茹でたことが起源と言われている。

 トウモロコシのマッコリを飲みながらオジンオスンデを堪能していると、食堂のアジュンマが「エゴマの葉のチャンアチ(酢醤油漬け)に巻いて食べると、もっと美味しいのよ」と、オジンオスンデの美味しい食べ方を教えてくれた。

束草名物の新鮮なイカを使ったアバイ村の名物グルメ「韓国版いかめし」のオジンオスンデ