韓国在住の日本人YouTuberが部屋探しをしている動画を観た。ある韓洋折衷家屋には屋上があり、韓国ドラマの世界だと興奮気味に話している。なるほど、日本の視聴者の目には屋上=韓国的な風物と映っているらしい。
最近のいい例がNetflix人気作『ドクタースランプ』だ。ハヌル(パク・シネ)とジョンウ(パク・ヒョンシク)が恋愛模様を繰り広げるのが、まさにその屋上である。
筆者は屋上が登場する映画やドラマを思い出してみた。資料など引っ張り出すまでもなく、出てくること、出てくること。我々韓国人と屋上はそんなに密接な関係だったのかと驚かされた。
今回は映画やドラマのさまざまな屋上シーンを振り返りながら、韓国人と屋上の関係について考えてみよう。(記事全2回のうち前編)
■屋上スペースを確保しやすい韓国の住宅構造
『ドクタースランプ』のハヌル家の屋上の向こうの住宅群を見るとよくわかるが、現代の韓国の住宅には日本のような三角形の屋根が少ない。小さなビル型が多いので、屋上スペースを確保しやすい。日本の住宅の屋根が三角なのは雨水の排水のためだという。
屋根の勾配が急であればあるほど水はけがよく、雨漏りの被害が少ない。ソウルを例に挙げれば、年間降水量は東京の半分くらいなので、排水は日本ほど重要ではなさそうだ。
『ドクタースランプ』のハヌルとジョンウのように二人きりで会ったり、ハヌルのオモニたちのように風を受けながら焼肉を楽しんだりできる屋上が、韓国人には身近であることは確かなようだ。日本ではマンションなどに屋上スペースがあっても、安全対策なのか、住民に開放されていることは稀だと日本の知人数人から聞いた。