■タッパーの中身は?白身魚か豚肉の揚げ焼き、ナムル、キムチ、うずらの醤油煮…
ミジンオンマは夫との関係や豪快な慶尚道訛りから男まさりに見えるが、自宅にチャントクテ(キムチや味噌、醤油などを作る甕の置き場)があることからもわかるように、じつは古風な良妻賢母の面もある。ウジン宅の冷蔵庫に収められたミッパンチャンも彼女の手作りだろう。
テレビの画面からは正確には判別しづらいが、タッパーウェアの中には、ほうれん草のナムル、センソンジョン(白身魚の揚げ焼き)またはコギジョン(豚肉の揚げ焼き)、キムチ、うずらの卵の醤油煮らしきものが確認できる。
最近の人気ドラマ『ドクタースランプ』でも、パク・シネ扮するハヌルがパク・ヒョンシク扮するジョンウに食べさせようと、料理上手なオンマ(チャン・ヘジン)のミッパンチャンを持ち出すシーンがあった。
また、『涙の女王』のキム・スヒョン主演ドラマ『サイコだけど大丈夫』や、パク・ボゴム主演ドラマ『ボーイフレンド』には、うずらの卵のミッパンチャンがよく出てきた。
20年くらい前と比べるとあまり見られなくなったが、チュソク(秋夕)やソルラル(新正月)明けのバスターミナルで、大きな風呂敷包みを持っている若者がいたら、それは故郷のオンマに持たされたミッパンチャンの可能性が高い。
ジウンの心を満たしたミッパンチャンの場面を見て、私も光州に住む母を訪ねたくなってしまった。